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 電子情報技術産業協会(JEITA)は,2009年5月21日に中国の北京で開催された世界半導体会議(World Semiconductor Council:WSC)の結果を発表した(発表資料)。具体的には,マルチチップIC(MCP)の関税撤廃や,環境対策,知的財産権の保護などに関しての議論の結果を明らかにした。今回の会合に参加したのは,日本,欧州,米国,韓国,台湾,中国の半導体企業22社。

 WSCは,関税障壁の撤廃や自由貿易の促進が,半導体分野に大きな影響を与えるとし,多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)や情報技術協定(ITA)の推進について,各国の政府および世界貿易機関(WTO)へ働きかけているという。WSCは,今回の会合で自由貿易の基本原則について改めて確認したとする。

 MCPの関税撤廃は,2006年4月から中国を除く5地域で施行されており,現在,対象国を拡大するための努力を続けているという。さらに,MCPだけでなく,昨今製品化が相次いでいる,ICと一般電子部品や半導体素子を組み合わせた新しいマルチ・コンポーネントIC(MCO)も無関税となるよう,各国政府や世界税関機構(WCO)に要請しているとする。

 環境対策に関しては,中国を除く5地域が自主的な排出量削減目標を掲げているパーフルオロコンパウンド(PFC)が,目標を達成できる見通しという。5地域は,2010年までにPFCの排出量を10%削減することを目標としている。また,人体に悪影響を与えると懸念されているパーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)の排出量削減についても,引き続き努力を継続する。PFOSは,フォトレジストや反射防止膜といった半導体プロセスで必須な化学物質として,ごく微量が使用されている。

 半導体製品の模倣品が増大し,被害が深刻化している問題に関しては,模倣品対策の強化を目的として,今回参加した6地域の税関当局者による会議を2009年9月に開催することで合意した。同6地域で構成する半導体政府間会合(GAMS: Governments and Authorities Meeting on Semiconductors)に合わせて開催する。

 今回のWSCに日本側代表として出席した富士通マイクロエレクトロニクスの代表取締役社長である岡田晴基氏は,「環境問題,通商および関税問題などをいち早く解決することが,半導体産業の経済危機からの脱出を促し,さらに発展する起爆剤になると確信している」とコメントを寄せている。