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図1 経常利益の半分を太陽電池事業の収益で確保
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図2 年間80MWの生産能力を急拡大させる計画
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図3 資金の1/3を太陽電池事業に投資
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 昭和シェル石油は2009年5月26日,2010~2014年度の中期経営ビジョンを発表した。2014年度に経常利益1000億円を目指し,そのうち500億円を太陽電池事業の収益で見込む(図1)。

 国内の石油や天然ガスなどのハイドロカーボンの需要は減少に転じ,2014年には16%ほど減少するとの予測がある。この減少量は,昭和シェル石油の年間取扱量とほぼ同じであり,同社では石油事業会社からエネルギー会社へと変換する必要があるとする。

 そのため,同社は子会社の昭和シェルソーラーの宮崎県にある工場で現状年間80MW(第1プラントで20MW,第2プラントで60MW)のCIS型太陽電池の生産能力を早期に年間1GW級に引き上げる計画である(図2)。具体的な量産計画については明らかにしなかったが,現在厚木の研究所でアルバックと共同開発している製造方法で性能面やコスト面で競争力があると判断できれば,第3,第4のプラントを立ち上げたいとした。現在の量産品の変換効率は9%台だが,研究所では現在30cm角のモジュールで変換効率15.7%を達成しているという。

 昭和シェル石油では,日立製作所が製造から撤退したPDPの工場を太陽電池の製造工場として活用する検討を開始したと発表しているが,日立製作所の子会社でPDP製造を手掛ける日立プラズマディスプレイ 宮崎工場を取得するかどうかは「研究所での成果を見極めてから」(昭和シェル石油 代表取締役社長 香藤繁常氏)とした( Tech-On!関連記事)。今後の生産拠点については,「第3プラントまでは国内を考えているが,その後は海外拠点も十分あり得る」(香藤氏)とする。

 同社はモジュールのコストをCdTe型太陽電池を量産している米First Solar社と同等の1W当たり約100円を目標にしているという。「ここ何年で実現できるかが勝負。3年も5年も掛かっていたら話にならない」(昭和シェルソーラー 代表取締役社長の亀田繁明氏)との見解を示した。

 昭和シェル石油では2014年までに5000億円程度の手元資金のうち,石油事業と太陽電池に1/3ずつを投資するとした(図3)。太陽電池では生産規模の拡大にほぼすべてを投資するという。このため,2000億円弱もの投資を実施することになる。

 同社では今後,一気に生産能力を10倍,20倍といった規模に拡大していくには,人材の確保とパートナー作りが重要との見解を示した。国内では石油やLPG販売の特約店や電力会社との協力を深めるほか,海外では販路を持つ商社やシステム・インテグレータ,建設会社などとの連携を進めたいとしている。