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図1◎新型「Eクラス」の持ち上がりフード
図1◎新型「Eクラス」の持ち上がりフード
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 ドイツDaimler社は国内発売したMercedes-Benzブランドの新型「Eクラス」セダンにばねを利用した持ち上がりフードを標準採用した。最大の特徴は、火薬を使わないので、いったん持ち上がってしまったフードを簡単に復帰させられること。さらに火薬式に比べてコストも安くできるという。

 歩行者と衝突した際の頭部への被害を軽減するため、持ち上がりフードは前面フードの高さが低いクルマに採用されている。これまで、ホンダの「レジェンド」、フランスCitroen社の「C6」、英Jaguar社の「XK」「XF」、日産自動車の「スカイラインクーペ」「フェアレディZ」などに採用例がある。ただし、これらはC6を除いていずれも火薬式で、火薬の爆発により発生したガスでアクチュエータを作動させてフードを持ち上げていた。C6はばねの力でフードを押し上げるが、ロックを外すには火薬を使っている。

 Daimler社のシステムは持ち上げる力はばねで行い、電磁ソレノイドでロックを外す。フロントバンパーの裏側3カ所に加速度センサがあり、そのうち2カ所で衝撃を感知するとフードを持ち上げる。衝突速度が20~25km/h以上で作動し、ボンネット後端のヒンジ部を最大で50mm持ち上げる。

 火薬を使った持ち上がりフードは、いったん作動した場合、販売店に持ち込んで修復する必要がある。しかし、Eクラスの新システムはフードのロックを解除してフードを開けて閉め直すことでばねが縮んで元の状態に戻せる。火薬を使ったシステムでは厳密に衝突したかを判断しなければならないの対し、Eクラスのシステムは簡単に復帰できるため制御回路も簡素化できたようで、ECU(電子制御ユニット)は専用ではなくエアバッグECUに一体化している。

図2◎持ち上がった状態を復帰させるにはまずフードを開ける
図2◎持ち上がった状態を復帰させるにはまずフードを開ける
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図3◎ヒンジの取り付け部が持ち上がっているのが分かる
図3◎ヒンジの取り付け部が持ち上がっているのが分かる
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図4◎フードを閉めるとヒンジの取り付け部が下がって元の状態に戻る
図4◎フードを閉めるとヒンジの取り付け部が下がって元の状態に戻る
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図5◎システムの構成
図5◎システムの構成
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