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FastrackのSalah Werfelli氏 日経BPが撮影。スライドはFastrackのデータで,Algebraic Multi-grid Approachの概念を示している。
FastrackのSalah Werfelli氏 日経BPが撮影。スライドはFastrackのデータで,Algebraic Multi-grid Approachの概念を示している。
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SpiceTrack-CLKの処理の流れ Fastrackのデータ。
SpiceTrack-CLKの処理の流れ Fastrackのデータ。
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電源ネット考慮の有無によるクロック・ネット解析結果の違い。Fastrackのデータ。
電源ネット考慮の有無によるクロック・ネット解析結果の違い。Fastrackのデータ。
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製品ロードマップ Fastrackのデータ。
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 米Fastrack Design, Inc.は,用途を特定した回路シミュレータ製品を提供していく。同社は,SPICEと同程度の精度で高速処理が可能という回路シミュレータ「mSPICE」を開発・提供するEDAベンダーである(Tech-On!関連記事)。

 mSPICEはSPICEと同じく汎用の回路シミュレータだが,用途を絞った回路シミュレーション製品も提供していく。用途限定の製品は内部にmSPICEを備えており,mSPICEと同じ精度や処理速度が達成できる。用途を限定することで,価格を抑える。

 用途限定製品は,その用途向けにmSPICEを使うためのユーティリティ的な機能やツールをプラスする。こうした追加機能やツールは,狙った用途でユーザーの使い勝手を向上させる一方で,他の用途での利用を制限する面もある。

 用途限定の最初の製品が「SpiceTrack-CLK」である。この製品はチップのクロック・ネットとクリチカル・パスの解析に向けた製品になっている。クロック・ネットの解析では,電源ネットのIRドロップの影響を考慮する。また,この解析で得た結果を,クリチカル・パスの解析に使う。今後,同時スイッチング解析用の「SpiceTrack-SSO」やESD解析用の「SpiceTrack-ESD」などを提供していく予定である。

特許申請中の三つの技術を利用

 こうした用途限定版のプロモーションなどのために来日したFastrackのSalah Werfelli氏(Member, Board of Directors)によると,mSPICEの高精度・高速化は主に次の三つの技術で実現しているという。いずれの技術も特許申請中で,うち二つはすでに公開されている(認定・登録はこれから)。

 三つの技術のうちの一つは,縮約化と伸長化に関係したものである(同社はAlgebraic Multi-grid Approach)と呼ぶ。元の回路ネットワークを縮約してから解析することで処理時間を短縮する。伸長時には,精度が落ちないような補間処理を施す。

 二つ目は「Two-Stage Newton-Raphson法」と一つ目のAlgebraic Multi-grid Approachを使ったトランジスタ・レベルの回路シミュレーション技術になる。三つ目は回路シミュレーションの並列実行技術である。