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LittleSproutのプラグイン(画面の灰色の部分)で見つけたコンテンツを,「Twitter」で紹介する実演
LittleSproutのプラグイン(画面の灰色の部分)で見つけたコンテンツを,「Twitter」で紹介する実演
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SoundCloud社,共同創業者兼CTOのEric Wahlforss氏
SoundCloud社,共同創業者兼CTOのEric Wahlforss氏
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SpotifyのEcho Nest技術の利用例。まず,ユーザーが特定の曲をクリックする。
SpotifyのEcho Nest技術の利用例。まず,ユーザーが特定の曲をクリックする。
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その曲から,Echo Nestが推奨プレイリストを作成する
その曲から,Echo Nestが推奨プレイリストを作成する
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 2009年5月18日に米サンフランシスコ市で開催されたイベント「SanFran MusicTech Summit」に,音楽業界と技術業界関連から約650人が参加した。Web関連の話題が多かったが,なかでも以下の話題が参加者からの注目を集めた。

ブラウザにおけるP2P通信プラグイン「LittleShoot」

 ピアツーピア(P2P)の配信技術を手掛けている開発者の多くは,著作権を侵害するような違法配信ではなく,適法な配信ビジネスを進めたいと考えている。そうした一人に,P2Pソフトウエア「LimeWire」の旧技術開発担当で,現在は米Last Bamboo LLCの責任者であるAdam Fisk氏がいる。Fisk氏が手掛けている「LittleShoot」(同ソフトウエアのWebサイト)のオープンソース・ソフトウエアは,コンテンツ配信のためP2Pソフトウエアの欠点改善を目指しているという。「LimeWireといった既存のP2Pソフトウエアは,ユーザーがブラウザから別のアプリケーションに飛び移って作業を継続する必要があることから,手間が多かった」(同氏)。

 こうした問題を解決するため, LittleShootではBitTorrentやGnutellaといったP2P通信プロトコルに対応する多数のプラグインを開発している。「米Adobe Systems社の【Flash】のような,多数のブラウザ内で動作するプラグインの開発はかなり難しい。このため,なかなか完成度の高いプラグインが世の中には少ないと思う」(Fisk氏)。LittleShootがインストールされたブラウザであれば,ユーザーがブラウザ内でP2P通信に配信中のコンテンツを検索したり,ダウンロードやアップロード作業を平行して進められる。

自分で「音楽配信」できる

 ドイツSoundCloud Ltd. (同社のWebサイト)は,音楽の作成から再生まで利用できる「SoundCloud」と呼ぶWebサービスの運営を手掛けている。SoundCloudを採用すると,例えばあるバンドのアーティストは各自で音楽トラックのファイルをSoundCloudのサーバーにアップロードし,それらをダウンロードして一つの曲をミックスする作業ができる。出来上がった曲を,さらにSoundCloudのサーバーにアップロードしておけば,クライアント用ソフトウエアを使って一般ユーザーが再生することができる。こうしたシステムであれば,アーティストはレコード会社や他の第三者を利用することなく,各自で管理できる音楽配信サービスを実現ができる。

 イベントで,SoundCloud社の共同創業者兼CTOのEric Wahlforss氏が,SoundCloudがAPIを公開することで,第三者のアプリケーションが実行できる可能性があることを強調していた。SoundCloudに対応したiPhone用クライアント・ソフトウエアを既に開発済みとしており,「このソフトウエアがあれば,アーティストが外出先でもSoundCloudに音楽をアップロードできる」(同氏)という。SoundCloudのAPIを利用すれば,インターネットに接続された様々な楽器の再生機能を利用することで,音楽配信サービスを実現することも可能になりそうだ。ただし,パソコン以外の機器での利用可能性についてWahlforss氏は,「現在のところコメントできない」としている。

MITから生まれた「Echo Nest」

 このほか,The Echo Nest Corp. (同社のWebサイト)は,米Massachusetts Institute of Technology(MIT)の技術者が開発した楽曲リコメンデーション技術「Echo Nest」をアピールした。同社のDirector of Developer CommunityであるPaul Lamere氏は,かつて米Sun Microsystems社の研究開発事業部に勤めていた。Echo Nestは,マシン・ラーニングの技術を利用する。楽曲データ自体の分析のほか,Webで公開されている音楽関連の評価やブログなどのテキスト情報も使って選曲する。

 Lamere氏も,Echo Nestで公開済みのAPIについてアピールした。同氏によると,特に欧州で人気がある「Spotify」の音楽配信システムの利用が始まっているという。