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Project LeadのLars Rasmussen氏
Project LeadのLars Rasmussen氏
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Google Waveの画面。電子メールに近いユーザー・インタフェースを備えている
Google Waveの画面。電子メールに近いユーザー・インタフェースを備えている
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Google WaveはiPhoneやAndroidでも動作する
Google WaveはiPhoneやAndroidでも動作する
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数多くの利用者が一つの文書を編集。多国語(約40カ国)化に対応している
数多くの利用者が一つの文書を編集。多国語(約40カ国)化に対応している
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 米Google Inc.は2009年5月28日,同社が開催中の開発者会議「Google I/O」の基調講演で,開発中の新しいコミュニケーション・プラットフォーム「Google Wave」を発表した。現在は開発者向けのプレビュー版を公開した段階。Google I/O参加者を中心に,限定的に利用アカウントを発行する。

 講演した同社Project LeadのLars Rasmussen氏は,「現在インターネットで広く使われているコミュニケーション手段である電子メールやインスタント・メッセージは,既存の手紙や電話を模したものに過ぎない。インターネットにふさわしい新しいコミュニケーションの方法を実現する」と話した。Google WaveはProduct,Protocol,Platformという「三つのP」(Rasmussen氏)から成り立っている。根本にあるアイディアは二つ。リアルタイムに複数のユーザーが共同で編集できることと,編集の履歴を時系列順にたどれることだ。これをPlatformとして実装する際に,「共有オブジェクト」の考え方を導入している。その上にProductとして実際にコミュニケーションをするサービスを組み上げている。Google Waveは複数サービス間で情報を共有する仕組みを備えており,サービス間で通信するためのProtocolが公開されている。

 例えば電子メールの場合,メッセージ本体を書いて,それを通信相手に送る形になる。履歴を付けることは可能だが,基本的に利用者の操作に依存している。3人以上で電子メールを使って打ち合わせをしようとすると,例えばそのうち一人が「全員に返信」すべきところをただの「返信」にしてしまうといったことも起こり得る。また過去の発言に対するコメントを付けることも難しい。

 共有オブジェクト・モデルの場合,基本的に利用者が取り扱うメッセージは単一のものとなる。したがって,すべてのユーザーが見る文書は同一のものとなる。電子メールと同じように,利用者の発言順にまとまった形で情報を表示することもできるし,返信などの操作も可能だ。ただし見かけは大きく違う。複数のユーザーが同時に文書を編集していると,キー入力操作がそのまま伝搬するように,編集内容がリアルタイムに反映される。また共有しているメンバーの一部にのみ限定して返信を送ったり,コメントを付けたりすることもできる。

 さらに拡張機能として,デスクトップ側で動作する「Gadget」と,サーバー側で動作する「Robot」が存在する。Gadgetはユーザーの操作を反映させるもので,Waveの共有オブジェクトを編集するエディタと考えることができる。Robotは記述された内容に対して適宜修正を自動的に施すサービスを実装できる。例えばスペル・チェッカーをRobotとして実装したり,Waveで作成した文書を自動的にブログに登録する機能をRobotとして実装できる。

 こうした拡張機能を通じて,例えば「Twitter」に表示された内容をそのままGoogle Waveで表示したり,SNS(social networking service)の最新の更新状況を取得したりできる。今後も人と人を結ぶサービスは数多く登場するだろう。こうしたサービスを一元管理するツールとしても有効に使えそうだ。

 「まだまだ初期の実装段階にある。これから多くの開発者のアイデアを実現してほしい」(Rasmussen氏)。サーバー側のソフトウエアおよびクライアント用のソフトウエアはともにオープンソース・ソフトウエアとして公開するという。公開の時期は未定だが,ソース・コードの整備が済んでから順次公開を進めていくという。また年内にはProductとしてのサービスを公開する計画である。