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 三菱化学は2009年5月29日,カプロラクタム事業とスチレンモノマー事業から撤退すると発表した。同日,オランダRoyal DSM社が欧州を中心に展開しているポリカーボネート事業を譲り受けて事業を拡充するとともに,ポリアミド事業をRoyal DSM社に譲渡する検討を開始したことも発表している。同社は今後,事業の集中により石油化学事業の事業基盤強化に取り組むという。

 石油化学製品市場では,国内需要が縮小する一方,中東産を中心とする安価な原料から製造された製品との競争が激化することが見込まれる。同社は,ポリアミドの原料となるカプロラクタムに関連する事業,ポリスチレン樹脂やABS樹脂などスチレン系合成樹脂や発泡スチロ-ル,合成ゴムの原料となるスチレンモノマー関連の事業について,収益の回復が見込まれないと判断し,撤退を決めた。

 カプロラクタム事業では,具体的にはカプロラクタムと,その原料となるシクロヘキサノン,さらにその原料となるシクロヘキサンの生産を止める。2010年3月,黒崎事業所(北九州市)にあるカプロラクタム(年産能力6万t)とシクロヘキサノンのプラント(同11万t)を停止。同時に,水島事業所(岡山県倉敷市)にあるシクロヘキサンのプラント(年産能力12万t)も停止する。

 一方のスチレンモノマー事業では2011年3月,鹿島事業所(茨城県神栖市)にあるスチレンモノマープラント(年産能力37.1万t)を停止する。

 なお,同社の2009年3月期における両事業の売上高は,カプロラクタム事業が約140億円,スチレンモノマー事業が約470億円。