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図1●工程順序(製造フロー)の特定部分の順序変更をロックする機能。ロックする理由などを記入できる。
図1●工程順序(製造フロー)の特定部分の順序変更をロックする機能。ロックする理由などを記入できる。
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図2●製造現場への指示用に,製造フローから作成した静止画像に注記を追加できるようにした。
図2●製造現場への指示用に,製造フローから作成した静止画像に注記を追加できるようにした。
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図3●電気系CADから読み込んだネットリスト(接続情報)をハーネスの検証に利用可能。
図3●電気系CADから読み込んだネットリスト(接続情報)をハーネスの検証に利用可能。
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 富士通は,DMUツール「VPS」の新版(V11L17)を発売した。VPSは,3次元CADで設計した製品の生産性検討と工程設計,製造現場への工程の指示といった両面で使われる。前者について工程順序の編集を容易にする機能などを強化したほか,検討の質を高めるため不具合データベースなどと組み合わせる機能を用意した。後者では動画と静止画を作成し,利用しやすく整える機能などを強化。さらに,ハーネスについて電気系CADから情報を取り込み,より正確な検証ができるようにした。

 工程順序(製造フロー)については,工程の一部分を変更から守る「構成保護」機能を加えた。設計側で公差の積み上げを検討した結果,公差が最小になるよう組立順が決まっている場合や,生産設備の都合などで組立順を変えられない場合,その部分を「保護(ロック)」できる。保護部分にはテキスト情報で意図を書き込むことができ,設計側と生産側での情報共有を強化できる。保護された部分は固まりとして移動でき,保護された工程単位での組み換え検討も可能だ(図1)。

 工程を編集した場合,編集前の手順では干渉しなかった部品が,編集後には干渉してしまう可能性がある。この問題の発生を気付きやすくするため,動画像で組立手順を再生するとともに,干渉を自動検出して画像を静止させる機能を設けた。

 不具合データベースなどとの連携機能は,同機能を直接実装するのではなく,ユーザーが作成したアプリケーションに部品番号や部品名称などの情報を渡す機能。ユーザーが画面上でアイコンを押すなどすると,外部アプリケーションに情報が渡る。不具合データベースに限らず,部品表システムや調達システムのデータベースを検索するようなアプリケーションとも連携させられる。

 製造現場への情報伝達用に,3次元表示画面から静止画像とアニメーション・ファイルを作る機能も強化した。工程を動画像として表示するときに,特定タイミングで生成できる静止画像(スナップショット)については,注記や矢印などを追加できるようにした(図2)。一度作った注記入り静止画像は,動画表示中にはさんで表示できる。また,アニメーション・ファイルの作成機能は,製造フローに対して定義できる「ブックマーク」のタイミングで分けて複数のaviファイルを作成するもの。aviファイルの順序を記した再生リストファイル(テキストファイル)も同時に作成,ユーザーは再生リストファイルを編集することで一部を省略したり,順序を変えて再生することもできる。

 ハーネスの検証機能では,電気系CADからネットリスト(接続情報)を取り込み,電線の太さや色といった情報を加えた上で検証ができるようにした(図3)。従来版では,ハーネスは経路情報のみを持ち,電線としての情報は持っていなかった。コネクタに対しても,コネクタ名などを設定できる。機械設計担当者と電気設計担当者の間でのコミュニケーションの質を向上させることを目的として機能を強化した。コネクタ接続部のワイヤ形状も,より現実に近い表現が可能になった。

 富士通はVPSの2010年に予定されるバージョンアップで,ユーザー操作に対する応答スピードを10倍に引き上げる計画。構成点数数万点の製品でも,マウスの動きに追従して動くような表示を可能にしたいという。

 VPSの価格は従来版と変更はなく,基本モジュール「VPS/DMU」が250万円。工程の検討と工程指示に用いる「VPS/Manufacturing」は追加で400万円。