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光を反射・吸収しない部分は,背景の色が透けて見える。
光を反射・吸収しない部分は,背景の色が透けて見える。
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 米Hewlett-Packard Co.は,現在開催中の学会「SID Display Week 2009」で,独自の光反射型パネル「eSKIN」を開発したと発表した。光の透過率を制御して文字や画像の見え方を制御できる。想定する用途は,自動車のインパネ部分やゲーム機,音楽プレーヤ,さらにはランプ・シェードなど。印刷物と同様,ロール・ツー・ロール(R2R)プロセスで製造し,フレキシブルでパネルをほぼ透明にできるのが特徴である。このフレキシブル性や背景の色を透過的に見せられる点を生かすことで,印刷物とディスプレイの中間的な役割を果たせるという。同社は早ければ2010年中にも製品化を図る予定だという。

 eSKINは,光の透過率が50~65%の基板に,反射型で文字や画像を表示する部分を形成したもの。めっき技術などをR2Rプロセスに組み込み,プロセス温度を最高でも+180℃に抑えることで実現したという。現時点で,反射率は40%以上で8階調まで制御できる。ただし,光の反射率や透過率を制御する原理は明らかにしていない。

 試作したパネルは,パッシブ駆動で文字や静止画の表示を制御できる。パネルの厚みは数百μmで最小の曲率半径は1cm。画像の切り替え速度は,0.5~1秒とやや遅い。「消費電力は1cm2当たり数μW」(HP社)と小さいが,電子ペーパーと違って電源を切ってしまうと画像も消えてしまう。透明であるため,カラフルな背景を利用したり,基板自体に色をつけたりすることで装飾的な用途にも使えるとする。光の透過時と反射時とのコントラスト比は最大で10対1。視野角が180度と非常に広いことも特徴の一つであるという。