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 トヨタ自動車は,車体(ボディ)の設計について,設計部門内にあるモデラー部隊「ボデーCAD室」がCAEによる解析も担当していることを明らかにした。2009年6月2日開催のJCF2009で講演した。設計技術者の指示でボディ部品を3次元CADでモデリングしたら,すぐに解析計算を実施し,強度の基準を満たしていないなど,不合格と判定された場合にはすぐに対策を講じる。設計部門内からなるべく外に問題を出さない「自工程完結」を実現できたという。

 ボデーCAD室は約300人からなるモデリング担当部署で,部品ごとにグループに分かれた組織になっている。単にモデルを作成するのではなく,標準的手続きを定めて均質なモデルを作成するとともに,金型での成形要件やコストなどの知識を蓄積,設計技術者やデザイナーの指示に対して検討を加えた上でモデルにしている。ボデーCAD室で実施する解析計算は,ドアやフード(ボンネット)などの剛性についての静的な線形解析。モデリングに使うCAD「CATIA V5」上で利用可能な解析計算機能を使う。部品ごとに分かれた組織であるため,それぞれCAE計算結果,実機での実験結果などを集約しやすく,計算結果について絶対値での評価ができる。

 従来は設計部門から3次元モデルを出図した後,生産技術部門が解析計算を実行していた。ここで不合格判定になると,設計部門への手戻りとなった。ところが設計技術者が対策を講じて3次元モデルを修正しても,再び生産技術部門が解析を実施することになる。設計品質の確保が設計部門の自工程で完結せず,開発期間が延びる原因にもなっていた。

 外板の張り剛性などについての非線形解析は,解析専門の部隊が担当している。ソルバーとしては「ABAQUS」,プリ/ポスト・プロセッサは「AFC(ABAQUS For CATIA)」を使っている。