PR
2007〜2013年のMEMS加速度センサーとジャイロスコープ市場の推移
2007〜2013年のMEMS加速度センサーとジャイロスコープ市場の推移
[画像のクリックで拡大表示]

 フランスの調査会社Yole Developpement社は,2008~2013年のMEMS加速度センサーやジャイロスコープ,慣性計測ユニット(IMU:inertial measurement unit)市場の傾向を発表した。

MEMS加速度センサーとジャイロスコープ市場は2008年に18億米ドル

 Yoleによると,加速度センサーやジャイロスコープは,2008年に世界市場で7億5200万個出荷された。その市場規模は18億米ドルに及んだ。主なデバイス市場は車載向け製品だが,2011年までに民生機器向け製品に追い越されるとしている。ただし,これは最近の景気後退で自動車業界が低迷した影響ではない。加速度センサーやジャイロスコープは,エアバッグや横滑り防止装置(ESC),タイヤ空気圧監視装置(TPMS)のような機器に限定して出荷されるからという。それに対し,民生機器へのモーション・センサーの搭載は今後加速する。2013年までの年間成長率は,車載向けは3.6%と低いが,民生機器向けは21.1%となる。

 加速度センサー市場は,ドイツBosch GmbH.(Bosch Sensortec社を含む)と伊仏STMicroelctronics社の2社で35%を占める。実際にSTMicroelectronicsの製品は,米Apple Inc.製の機器に搭載されたことで,多くの利益をもたらしている。このほか,米Analog Devices, Inc.や米Freescale Semiconductor, Inc.,フィンランドVTI Technologies Oy,ドイツInfineon Technologies AGなどがこの市場に新たに参入している。

 一方ジャイロスコープ分野では,2008年にドイツBosch社と米Systron Donner Automotive社,パナソニックの3大メーカーが大部分のシェアを占めた。それぞれのシェアは平均20%程度である。しかし,Systron Donner Automotiveは2009年始めに自動車業界の低迷により市場からの撤退を強いられた。

 成功したMEMS製品の供給メーカーは,このめまぐるしい経済情勢に適応した。例えばMEMSセンサーを標準製品として搭載する装置などに供給するなどした。このほか,MEMSセンサー搭載機器の標準装備に関する法規制が奏功したという。これらの影響により,成功したメーカーは生産コストを抑えられたとする。

 戦略の一つとして,STMicroelectronicsやBosch Sensortec(工場は準備ができているが,まだ使用されてない),Freescale,台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.,Ltd.などが200mmウエーハ・ラインで生産することを選択した。このほか,コスト削減を図れる技術に移行したパナソニックなどのメーカーも存在する。

 コストを低減できるため,大量生産は大手のLSIメーカーにとって好都合となる。またセンサーに情報を記憶することにより,製品の差別化が図れる。スクリーンの回転や落下検知の目的などで搭載されるアルゴリズムは,通常チップ・レベルで集積する。米Kionix, Inc.がハード・ディスク装置(HDD)の保護用途の市場で成功したのはこの一例である。