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 日立製作所は,外形寸法が75μm×75μm×7.5μmと粉末並みに小さいICチップを,1個ずつ取り扱う技術を開発した(発表資料)。粉末状のICチップを溶液中に分散させて,マイクロピペットを用いて1個ずつ吸引する。バイオ・テクノロジーや医療分野で利用されている,細胞を捕捉するために用いる「細胞マニピュレーション」技術を応用した。

 今回,1mlの溶液に数千個のICチップを投入して,1個ずつ確実に取り出せることを確認した。溶液に界面活性剤を加えることで,ICチップの親水性を高めて,ICチップ同士が集合したり飛び散ったりすることを抑制した。加えて,溶液に強制的に渦を作ることで,チップの分散性を高めた。

 微小なICチップを取り扱う場合,従来は(1)チップを形成したウエハーを粘着シートに貼りつけてICチップを分離し,(2)突き上げピンでICチップを1個ずつ突き上げてシートから剥がして,(3)真空ピンセットで吸引して取り出す,という手順で行っていた。しかし,チップの大きさが100μm以下になると,(a)突き上げピンで操作する際にチップに強い衝撃を与えてしまう,(b)高い精度の位置合わせ技術が必要になる,といった課題があった。加えて,乾燥した状態では,ICチップに対して静電気や分子間力(ファン・デル・ワールス力)などの力が大きく働き,ICチップ同士が集合したり飛び散ったりするため,ICチップを1個ずつ取り扱って基板などに配置することが難しかったという。

 日立製作所は開発した技術を,2009年5月27~29日に米国カリフォルニア州サンディエゴ市で開催された「Electronic Components Technology Conference(ECTC)2009」で発表した。