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 新しいユーザー体験の開発手法として,「フィジカル・コンピューティング」という考え方が注目されている。2009年7月18日~20日に掛けて英国ロンドンで開催されたフィジカル・コンピューティングのカンファレンス「Sketching in Hardware」について,同分野の研究者・開発者である小林茂氏にレポートを寄稿してもらった。(昨年のレポートはこちら

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Sketching in Hardware
60分間で行う「ハードウエアでスケッチ」

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 最終日の午後は,このカンファレンスのタイトルでもある「Sketching in Hardware」というワークショップが行われました。これは参加者が数名のチームを構成し,そのチームごとにアイデアを60分間でハードウエア・スケッチするというものです。時間が限られているため,アイデアの中で一番重要な部分の体験を,その場で利用できる材料でいかに実現するか,という見極めが重要になります。

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 普段プロトタイピングを日常的に行っているメンバーだけに,どこを中心に実現するのか,どこは口頭の説明だけですませるのか,などを素早く判断して分担して進めていきます。締め切りが迫ると緊張感が走りますが,チーム間でも部品や機材などに関しては協力して何とか時間内に実現し,最後に全員を前にプレゼンします。今回はイギリスが舞台ということで「不思議の国のアリス」に登場する人参がお題となり,さまざまな形で使われました。

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 こうしたスケッチは,前述したようにプロトタイプとは異なるため,見る側にも一定の想像力が必要となりますが,アイデアを素早く形にしてディスカッションする,という一連の流れを体験するためのとても良い方法だと思います。また,今回は番外編として,「Luminet」というツール・キットの最新版を実際に試してみるというチームも設けられ,インストラクションに従って作業しつつ,途中で遭遇した問題点に関して積極的に改善案を提案をしました。