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図1◎参戦した13人の学生らが優勝を報告
図1◎参戦した13人の学生らが優勝を報告
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 東海大学は2009年11月4日、10月25日からオーストラリアで開かれた世界最大級のグリーンカーレース「Global Green Challenge」のソーラーカー部門で総合優勝したと発表した(関連記事)。東海大学は「Challenge Class」と呼ぶ2007年から新設されたクラスに参戦したが、2005年以前の車両規格に合致した車両で争われる「Adventure Class」では大阪産業大学の「OSU Model S’」が34時間45分で優勝した。

 同レースはダーウィンからアデレードまでオーストラリアを南北に縦断する約3000kmのレースで、到着時間が最も早かったチームが優勝となる。東海大学チームの参加車両「Tokai Challenger」は、Challenge Classの予選で4位だったもののトラブルなく走行を続け、4日間でアデレードに到着した。走行時間は29時間49分で平均速度は100.54km/hだった。過去4連覇しているオランダのNuon Solar Teamの「Nuna V」が32時間38分で2位、米国のUniversity of Michigan Solar Teamの「Infinium」が33時間8分で3位となった。

 総合優勝した要因について、東海大学工学部電気電子工学科教授の木村英樹氏は、「シャープから供給してもらった出力がトップレベルの太陽電池、参加車両中最も軽いCFRP製車体、効率の高い駆動系を搭載していることと、レース走行時にほとんどトラブルがなかったこと」とした。

 太陽電池は宇宙用でモジュールとしての変換効率が30%と高いもので、これを6m2使用している。出力は約1.8kWで、モータの出力制限はないため太陽電池の出力が大きいほど高出力のモータを使用できる。今回使用したモータは、ミツバ、日本ケミコン、ジェイテクトなどと共同開発したもので、DCブラシレスタイプのインホイールモータ。特徴は減速機構がないダイレクトドライブであることと、アモルファス電磁鋼板を使って鉄損を減らし、幅広い領域で効率を高めている点。定格出力は約2kWで、最高効率は97%、最高回転数は約1300rpm。

 ソーラーカーは走行前後にLiイオン2次電池に充電し、朝夕は太陽電池と2次電池の両方の電力で走行、日中は走行しながら2次電池にも充電する。2次電池はパナソニック製で、5.6kWhの容量(25kg)を搭載した。電池が満充電になっていれば約3時間分、速度100km/hで300km程度走行できる。

 Tokai Challengerは前2輪、後ろ1輪の3輪で後輪を駆動する。前輪は操舵機構を持つが、コーナーでの前輪の切れ角を減らして走行抵抗を軽減するため、後輪操舵機構も搭載した。

 車体はGHクラフトの協力を得たCFRP(炭素繊維強化樹脂)製で質量は160kg。各車両のドライバーの体重差を吸収するため、体重が軽い場合は重りを搭載して合計質量を80kgにする。タイヤはフランスMichelin社製の16インチサイズで、それにGHクラフト製のCFRP製ホイールを組み合わせている。

 ドライバーには東海大学OBである篠塚建次郎氏も参加。「レースまでトラブル続きで、すべての工程が遅れていたが、本選では4日目のパンク以外まったくトラブルがなかった。8月から徹夜に近い状態で準備を続けてきた学生の努力に対するご褒美とも言える奇跡の勝利だ」と語った。

 チームリーダーの学生である竹内豪氏は、「来年度の国際大会は南アフリカと北アメリカであるが、本日帰国したばかりでまだ考えられない。仲間と相談して次の目標を決めたい」と今後の抱負を述べた。

図1◎「Tokai Challenger」
図1◎「Tokai Challenger」
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図3◎高効率のモータを使用し、太陽電池から出力した電力の利用効率を高めるDC-DCコンバータ(MPPT)を搭載
図3◎高効率のモータを使用し、太陽電池から出力した電力の利用効率を高めるDC-DCコンバータ(MPPT)を搭載
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図4◎パナソニック製Liイオン2次電池を搭載
図4◎パナソニック製Liイオン2次電池を搭載
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