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記者からの質問に回答するトヨタ自動車代表取締役副社長の佐々木眞一氏
記者からの質問に回答するトヨタ自動車代表取締役副社長の佐々木眞一氏
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 トヨタ自動車が2010年2月9日に開いた,一連の品質問題に関する記者会見の質疑応答の内容を報告する〔質疑応答の(序盤),(中盤)〕。同社が得た教訓を3つ挙げてほしいという米国メディアからの質問に対して,同社代表取締役副社長の佐々木眞一氏は,今後の強化ポイントとして「品質検証体制」「情報収集力」「技術解析力」を挙げた。

 同日の記者会見に臨んだのは,同社代表取締役社長の豊田章男氏と,前出の佐々木氏である。

(フジテレビ)今回のプリウス問題の対処方法なのですが,顧客目線で考えたときに,これが最善の方法だと社長はお感じでしょうか。それとも,もっと早い段階で別の対処方法を採っていれば,ここまで騒ぎが大きくならなかったとお感じでしょうか。

豊田氏の回答

 現在,我々がやっておりますのが,今日,今の段階では最善方法だというふうに思っております。

 ですけれど,繰り返し申し上げますが,私どもトヨタという会社は,絶対に失敗をしない全能の存在である会社とは,私自身,社長としても思っておりません。だから故に改善,そして事実をしっかり見ようというDNAがですね,長年培われてきたんだと思いますし,結果を発見したり,いわゆる失敗したときには,これらを必ず修正し,お客様に対しまして,本当に今後の優れた製品をやっていくということを,繰り返しやっていくことでございますので,そういう意味で今回,その考え方にのっとって,今回もこういう対応をしておりますので,そういう意味でベストというふうに申し上げております。

(Car Watch)今回,改善の具体的な内容に関してお伺いしたいんですけども,今回のプリウスで採用されているのは,先ほどのお話ですと,電動のポンプから油圧のものに変更をしていると。今回の改良によって,従来の電動ポンプのものに切り替えるということなのか。それとも,その切り替えのタイミングを早くするだけのものなのか…。

 それと,あとブレーキが抜けると感じるという部分で,0.06秒作動が遅れるという部分と,あと先ほどのお話で,一度ABSが利いた後に油圧が通常よりも下がるというお話があったと思うのですけども,その油圧の下がるというのが,従来の電動ポンプだったものを油圧にしたことによる変化だということでよろしいでしょうか。

佐々木氏の回答

 まず技術的にいいますと,今回の対策は通常のピストン油圧でABSを利かすのではなくて,ABSの領域に入ってもブレーキのいわゆるリニア弁を使った電磁ポンプの圧力をそのまま使う。ですから,油圧の変化はないわけであります。

 それから,いわゆるピストン油圧に変えたから低いというのは,ある領域で低くなる。要するに,先ほどグラフでお見せしましたけれども,ある意味必要な,快適な動力というのはリニア弁を使った電磁ポンプで,これはもう非常にコントローラブルですから,お客様が踏んだら気持ちのいいという止まり方ができます。ただ,油圧式は,どうしても真っすぐしか上がってきませんから,踏力に応じて油圧が上がるという制御しかできませんので,ある意味コントロールがさほど自由度がない。

 ただABSの領域では,ある意味そんな快適性というよりも,ちゃんと止まればいいと。それもちゃんと止まるというのは,むしろ踏力の高いところ,先ほど0.3G(相当の減速度を生み出す踏力),だいたい4kgfぐらいの踏力のところで油圧がクロスしますというグラフをお見せしましたけれども,ああいうことからいえば,本当にお客様が「止まりたい」と思って踏んだときのABS領域というのは,ピストン油圧の方が,ある意味よく利く。軽くちょっと踏んでいるところでは油圧が低いですけれども,それは,我々がそこで問題を,お客様に対して非常に不快感をつくってしまったわけで言い訳にはなりませんけれども,そういって考えました。ですから,必ずしも油圧がいいとか悪いとかということではないというふうに思っております。(次ページへ