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Franhofer IPAのCNTスピーカー。三つを動態展示した。
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 ドイツFraunhofer Institute for Manufacturing Engineering and Automation(IPA)は,カーボン・ナノチューブ(CNT)を用いて試作したスピーカーを開発し,開催中のナノテクノロジーに関する展示会「nano tech 2010 (国際ナノテクノロジー総合展,2月17日~19日)」で,実演した。磁石や圧電素子などを必要としないため,非常に単純かつ薄いスピーカーを実現でき,「さまざまな場所にスピーカーを実装できる」(フラウンホーファー日本代表部)という。

 このスピーカーは,およそ8cm×6cmのPETフィルムにCNTを含む導電性塗料を塗っただけのもの。ここに12Vの直流電圧を印加し,電流のオンとオフを高速に繰り返すと,その周波数に応じた音が発生する。音の発生原理は,「熱音響効果によるもので,CNTが電流のオン時は発熱して膨張,オフ時は冷却して収縮する」(IPA)ことだという。実際,音を発生中のシートは,手をかざすだけで熱さを感じるほど発熱する。

 今回の実演では,いくつかの音程のビープ音を鳴らしているだけだが,「音は,200~20,000Hzの範囲で出せ,音楽だって聴ける」(フラウンホーファー日本代表部)とする。

 このスピーカーのメリットは,(1)構造が非常に単純で厚みが約200μmと薄いこと,(2)薄くて熱に比較的強く,熱導電性の高いフイルムであれば基板を選ばないこと,など。「障子や壁紙などにも実装できるかもしれない。CNTの濃度を下げれば,透明なスピーカーも作製できる可能性もある」(フラウンホーファー日本代表部)という。