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Cleantech Group社,PresidentのSheeraz Haji氏
Cleantech Group社,PresidentのSheeraz Haji氏
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2009年,環境関連技術に対するベンチャー・キャピタルの投資金額は世界的に落ち込んだ
2009年,環境関連技術に対するベンチャー・キャピタルの投資金額は世界的に落ち込んだ
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さらに2009年は,ベンチャー企業設立初期の投資も落ちた
さらに2009年は,ベンチャー企業設立初期の投資も落ちた
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Veolia Environnement社,Research and Innovation,Senior Vice PresidentのPhilipe Martin氏
Veolia Environnement社,Research and Innovation,Senior Vice PresidentのPhilipe Martin氏
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 米国サンフランシスコで開催中の環境関連技術のイベント「Cleantech Forum XXVI」(開催期間:2010年2月24~26日)では,環境関連技術を開発しているベンチャー企業の,現在の不況下における先行きについて注目が集まった。今回のイベントを主催する市場調査企業米Cleantech Group LLCの調べによれば,環境関連技術のベンチャー企業に投資された全世界での金額を2007~2009年で四半期ベースで見ると,ピークは2008年第3四半期の28億米ドルだった。しかし,2009年第1四半期にはこの金額は11億米ドルと,ピーク時の約4割の水準に落ちてしまった。その後,投資金額は回復に向かうが,それでも2009年第4四半期での投資金額は15億米ドルと,ピーク時の約半分である。

 さらに,投資時のベンチャー企業のフェーズにも変化が現れている。2007年や2008年に環境関連技術のベンチャーに投資された案件の約20%は,ベンチャー企業が設立間もないフェーズでのものだった。だが,2009年第2四半期~2009年第4四半期になると,ベンチャー企業の初期フェーズで投資された案件は15%程度に落ちた。Cleantech Group社によれば,不況の影響によって環境関連技術のベンチャー企業の経営状況は悪化しており,今後追加投資の要求を強めるケースが増えてくるとみる。しかし,ベンチャー・キャピタルは新たなリスクを背負うことを避けているという。「環境関連技術のベンチャー企業にとっては売り上げを確保することも投資を受けることも,極めて大きな問題である。現在はまさにポーズ(一時停止)状態と言える」(Cleantech Group社,PresidentのSheeraz Haji氏)。

 しかしHaji氏によれば,こうした状況の中で,環境関連技術に対する大手企業の関心が高まっているという。今回のイベントで催されたパネル・ディスカッションには,米The Boeing Co.や米The Coca-Cola Co.,大手電力企業米Duke Energy Corp.,大手給食企業フランスSodexo社の代表が参加した。「9年前,大手企業内でこうした注目はなかった」(Haji氏)。同氏によれば,関心の対象になるのはエネルギー分野に限らない。企業のサプライ・チェーンを持続できる,あるいは効率を高められるのであれば,環境関連技術に広く興味を抱くという。

 今回のイベントに参加した環境関連技術に興味を抱く大手企業の中でも,フランスVeolia Environnement社は注目に値する。同社は公共の水供給,廃棄物処理,エネルギー供給,交通機関のサービス提供を手掛ける大手であり,年間362億ユーロの売り上げを誇る。そのVeolia社が,環境関連技術のベンチャー企業
との協力を強めるプログラム「Veolia Innovation Accelerator」を発表した(発表資料)。「現在の市場でチャレンジしなければならないことに対し,当社だけでは対応できない。他社との協力は不可欠になっている」(同社,Research and Innovation,Senior Vice PresidentのPhilipe Martin氏)。同社が協力を希望している技術の例は,脱塩などの水用の膜や非石油の化学製品,環境センサ,環境データを処理する技術など。このプログラムを遂行するため,同社は技術研究員を10人採用する。協力を申し出た企業の案件に対して,1週間で反応を出し,興味があるときは12週間に具体的なビジネス条件を提供することを,Veolia社は約束するとした。