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 「SPIE Advanced Lithography 2010」において,BACUS(Bay Area Chrome User's Society)が企画するパネル・ディスカッション「EUV Source $10M. EUV Scanner $100M. Defect Free EUV Photomask, Priceless! For some there's NIL, for everyone else, there's EUV」が2月22日夜に開催された。

 まず,モデレータの米Photronics, Inc.のBryan Kasprowicz氏と米Toppan Photomasks, Inc.のFranklin Kalk氏の二人のうちKasprowicz氏が,次世代リソグラフィの選択肢として,ダブル・パターニング技術(DPT,招待講演では米Intel Corp.がマスク3枚を使うことも示唆),ナノインプリント(NIL,メモリー・メーカが候補技術として注目),電子ビーム(EB)直描(台湾Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.が「Mapper」の評価装置を設置),そして本命と目されるEUVリソグラフィがあり,その中でEUVリソグラフィは最近ベルギーIMECと米SEMATECH, Inc.が協力を発表するなど国際協調で開発が強力に進められていることを紹介した。

 その上で,例えば1枚/月しか受注がなければEUVマスクの製造コストは150万米ドルになってしまう点を指摘した。この根拠は,EUV専用のブランクス欠陥検査装置(Actinic欠陥検査,推定で1台が5000万米ドル),パターン欠陥検査装置(推定で1台が1億米ドル),EUV転写シミュレーション顕微鏡(EUV-AIMS,推定で1台が3000万米ドル)を導入する必要があることと,EUVリソグラフィを初期に採用するLSIメーカがマスク内製部門を保有しているので市販のマスク・メーカへのEUVマスクの発注量は非常に少ないと思われることを考慮している。この導入プレゼンテーションを受け,パネリスト各氏がEUVリソグラフィとそのマスクへの取り組みをそれぞれ示した。パネリストはIntelのGilroy Vandentop氏,TSMCのTony Yen氏,東芝の東木氏,SEMATECHのBryan Rice氏,米GLOBALFOUNDRIES Inc.のPaul Ackmann氏,ドイツCarl Zeiss社のOliver Kienzle氏,米Molecular Imprints, Inc.のBen Eynon氏の7名である。

 IntelのVandentop氏は,マスク内製部門の2009年の成果として,寸法が70nm以上の欠陥がないマスクの製作に成功したことを挙げた。8個の欠陥を検出したが,欠陥を修正もしくは欠陥が転写されないように吸収層パターンをシフトさせることで,実効的に無欠陥化した。2010年は欠陥寸法を50nmとさらに小さくして無欠陥マスクへの挑戦を続けるとした。International Technology Roadmap for Semiconductors(ITRS)では,最終的に寸法が20nmまで無欠陥化することが要求されている。これに向けて,ブランクスの品質改善などに合わせながら,順次寸法を20nmに近付けるとした。EUVマスク製作基盤の整備に関しては,戦略的な協同作業が必要であり,検査装置の仕様をNILと共通化するといった開発コスト低減のための工夫が必要であることを示唆した。欠陥の転写特性の確認手法についての質問が出たが,これに対して現状はウエハーに転写してウエハー欠陥検査装置で確認しているがが,将来はEUV-AIMSが必要になるとコメントした。

 TSMCのYen氏は,EUVリソグラフィの量産(high volume manufacturing)への適用性を評価するため,オランダASML Holding NVの「NXE-3100」(Pre-Production Tool)のFab.12への設置を決めたことをアナウンスした。EUVマスクはマスク内製部門で試作しており,メタル配線層およびコンタクト・ホール層マスクのSEM(走査型電子顕微鏡)写真を提示した。パターン欠陥は米KLA-Tencor, Inc.の最新欠陥検査装置「600シリーズ」を使っている。EUVリソグラフィの課題としては,光源出力を現在の中間焦点(IF)で90Wから2~3年後に約5倍高める必要があること,ブランクス欠陥を現在の0.07個/cm2(寸法が34nm以上の欠陥密度,旭ガラス製ブランクの実績)から目標である0.01個/cm2(寸法が20nm以上の欠陥密度)とすること,である点を指摘した。ML2(mask-less lithography)も次世代リソグラフィとして検討していることに会場から質問が出たが,これにはHVM対応装置の実現に期待すると述べた。SEMATECHが最近発足させたEMI(EUV mask infrastructure)プログラムにも触れた。このプログラムによってEUVマスク専用の検査装置開発が効率的に進めば,EUVマスクのコストは光露光用マスクの2倍程度に抑えられるだろうとコメントした。一方,リソグラフィの各候補技術のコスト比較について,EUVが2011年以降はDPTよりも有利というデータになっているが,マスク・コストは考慮していないと述べた。