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Konarka社のカラーの有機薄膜太陽電池
Konarka社のカラーの有機薄膜太陽電池
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ロール・ツー・ロール式による製法と,モジュールの構造
ロール・ツー・ロール式による製法と,モジュールの構造
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コニカミノルタホールディングス 代表執行役社長の松崎氏(左)と,Konarka Technologies社 Executive Chairman&FounderのHoward Berke氏(右)
コニカミノルタホールディングス 代表執行役社長の松崎氏(左)と,Konarka Technologies社 Executive Chairman&FounderのHoward Berke氏(右)
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 コニカミノルタホールディングスと米Konarka Technologies,Inc.は,有機薄膜太陽電池の2010年4月からの共同開発,生産および販売で包括的な業務および資本提携を結んだと発表した。共同開発の後,2012年度に事業性があると判断すれば,両社の合弁会社を日本に設立して同太陽電池の量産を進める計画である。資本面においてもコニカミノルタがKonarka社に2000万米ドルを出資する。

 有機薄膜太陽電池は,有機半導体材料でpn接合,またはpin接合を構成し,光を電気に変換する太陽電池。特徴は,薄く,軽量で曲げられる,色の選択自由度が高い,ロール・ツー・ロールで製造可能で製造コストを大きく低減できる可能性がある,といった点だ。ただし課題も多い。同太陽電池はKonarka社が既に製品化済みだが,モジュール変換効率は「3~4%」(Konarka社 Executive Chairman&FounderのHoward R. Berke氏)と,既存の各種太陽電池に比べて低い。また,寿命が短いといった課題もある。

 今回の共同開発では,「モジュール変換効率10%,寿命10年を目標にする」(コニカミノルタの代表執行役社長 松崎正年氏)とする。目標を2012年度までにクリアできれば,合弁会社を設立して2013年ごろから量産を開始し,アジアを中心に販路を広げる計画である。「(製造開始から)5年ほどのうちに500億円規模にしたい」(松崎氏)。

 コニカミノルタは既に米General Electric Co.と有機EL照明の開発で提携済み(関連記事)。今回,有機薄膜太陽電池の開発に踏み切るのは「有機EL照明とのシナジー効果が見込めるから」(松崎氏)。具体的には,コニカミノルタがコア技術とする,(1)水や酸素に対する高いバリア性を備えたフイルム技術,(2)各種光学系事業で培った「光マネージメント技術」(松崎氏),(3)写真用フイルム事業で培ったロール・ツー・ロール式の塗布技術,(4)各種有機材料の開発技術,が有機EL照明と有機薄膜太陽電池の両方で強みを発揮するという。

 一方で今,非Si系で注目を浴びている太陽電池は,化合物薄膜太陽電池のCdTe系やCIGS系である(関連記事)。しかし,コニカミノルタの松崎氏は,こうした化合物材料を用いた太陽電池は一時的なブームで終わると見る。「化合物材料は,一時期,複写機の感光体などとしても使われたことがある。ところが,毒性がある点や性能バラつきなどの点に課題が残り,アモルファスSiや有機光導電体(OPC)に取って代わられた経緯がある。太陽電池でも同じことが起こるだろう」(松崎氏)。

2010年内のセル変換効率10%実現が試金石

 両社が2012年度までに目標とする性能のうち,寿命に関してはメドがたっているもようだ。「コニカミノルタの高バリア・フイルムを封止に用いるだけで,屋外での利用で5年だった寿命が,同10年以上になった」(Konarka社のBerke氏)。

 一方,変換効率の目標はかなりハードルが高い。現在,有機薄膜太陽電池は,多くのメーカーや研究機関が開発にしのぎを削っており,変換効率の向上が続いている。公表された中では,米Solarmer Energy Inc.によるセル変換効率7.9%を筆頭に,数社が7%台を達成しているもようだ。そしてこれらの多くは,2010年内にセル変換効率10%を実現できると主張している。

 Konarka社もこれらのメーカーの一つ。「研究開発ではセル変換効率7%を既に得ている。2010年末までにはセル変換効率9~10%,モジュール変換効率5%を実現できる」(Konarka社のBerke氏)とする。