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ARPA-E,DirectorのArun Majumadar氏
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ARPA-Eの役割の概要
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 米エネルギー省(DOE)の関連機関であるAdvanced Research Projects Agency-Energy(ARPA-E)は,「ARPA-E Energy Innovation Summit」と呼ぶイベントを米ワシントンDC市で開催している(開催期間:2010年3月1日~3日,同イベントのWebサイト)。同イベントのワークショップの基調講演で,ARPA-E,DirectorのArun Majumadar氏は,ARPA-Eのミッションに関して,「DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)が防衛分野で行ってきたことを,我々はエネルギー分野で実現したい」と語った。

ARPA-Eは,2007年の法改正で組織設立が決まり, 2009年2月の「米国再生・再投資法(ARRA:American Recovery and Reinvestment Act)」による, 4億米ドルの予算執行を契機に運営を開始した。ARPA-Eは米国のエネルギー関連の課題に取り組むための機関であり,米国外からのエネルギー輸入の低減や,発電時の廃棄物の削減,発電効率向上のための技術開発,最先端エネルギー技術開発などを支援するための資金提供などを行う。今回のイベントは,ARPA-E設立以来初の大型イベントである。ARPA-Eや米国エネルギー対策などの技術セッションが開催されるほか,APRA-Eが資金を導入した企業や研究機関の取り組みに関する紹介が行われる。

 ARPA-EのMajumader氏の説明によれば,活動の狙いは米国におけるエネルギー対策を推進できる技術開発を支援することだ。「今後の20~30年間に,米国のエネルギー業界は低炭素社会に移行しなければならない。原子力発電や再生可能エネルギーを拡大し,エネルギー需要を減らして,スマート・エネルギー・インフラを設立する必要がある。こうした役割を実現するためには,パートナーシップが不可欠になる」(同氏)。ARPA-EはDOE傘下で活動するが,Majumader氏自身が直接,米エネルギー省の長官であるSteven Chu氏に報告するという。

 壇上に立ったARPA-E,Deputy Director for OperationsのShane Kosinski氏は,エネルギー関連の技術が商用化する上で,課題となる資金の問題を解決するために取り組むという。同機関の活動では,エネルギー業界へのインパクトが大きい技術でありながら比較的リスクが高い分野の開発案件に,資金を提供していきたいとしている。ARPA-Eは,開発資金を投じた案件を基にした製品やサービスを,3~5年で市場展開したいと考えている。

 ARPA-Eは,次世代エネルギー関連の技術を商用化するために,米ベンチャー・キャピタル業界との密接な関係を重要視しているようだ。ARPA-E関係者の中には,かつてベンチャー・キャピタル業界で活躍した人物も少なくない。例えば今回のイベントに関しては,米ベンチャー・キャピタルの業界団体であるNational Venture Capital Associationが支援している。会場には,多数のベンチャー・キャピタルの代表者が詰め掛けており,関心の高さを示していた。