オリンパスメディカルシステムズとシーメンスヘルスケアは,観察する場所を自由に制御できるカプセル内視鏡システムの試作機を共同開発した。胃の観察を目的としたもので,磁気誘導によってカプセル内視鏡の位置を制御する。
オリンパスメディカルシステムズが既に実用化しているカプセル内視鏡は,小腸の観察を目的としたもの。消化管の蠕動(ぜんどう)運動によってカプセルが動くため,カプセルの位置を任意に制御することはできなかった。
カプセル内視鏡の位置を自在に制御できるようにすることで,小腸より広い器官である胃の観察が可能になるという。胃は,小腸よりも症例数が多いため,実用化されれば医学的にも有効な技術になり得る。
オリンパスメディカルシステムズは,カプセル内視鏡本体と画像・誘導情報システムの開発を主に担当。シーメンスヘルスケアは,磁気誘導装置の開発を主に担当した。開発したカプセル内視鏡の試作機は,外径11mmで長さ31mm。両端にそれぞれカメラを搭載する。一方,磁気誘導装置はMRIに似た装置であり,患者は観察時にこの装置に横たわる格好になる。
カプセル内視鏡の操作は,医師がジョイスティックを利用して行う。患者の胃を水で満たしておくことで,カプセルは水の中を移動する。
今後,開発した試作機を利用して,医学的な有効性や効果を確認していくという。