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 エレクトロニクス業界の景気回復を象徴しているのか。今年の「組込みシステム開発技術展(ESEC)」の初日は,昨年と異なって,かなり混んでいた。あるブースの説明員はこういう。「まだ実際に売り上げが立ったわけでない。しかし,景気回復に備えて準備したいという顧客からの問い合わせが,ここにきて急増している」。

 筆者がよく記事を担当する半導体(LSI/IC)やその設計ツールの展示も,この波に乗り,対前年比でかなり多いという印象だった。昨日は設計ツールなどについてまとめた(Tech-On!関連記事1)。以下では,チップについて紹介する。

青いルネサスが「初」出展

 半導体の担当者として,今回のESECで気になっていたのは,旧ルネサス テクノロジと旧NECエレクトロニクスが合併して誕生したルネサス エレクトロニクスである(東31-50)。ルネサス エレは旧ルネサス テクと同じ形のロゴを使うが,ロゴの色が赤から青(筆者の印象では群青色や青紫という感じ)になった(報道機関仲間では,青いルネサスと呼ばれている)。

図1●ルネサスのブース Tech\-On!が撮影。
図1●ルネサスのブース
Tech-On!が撮影。
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 そのルネサス エレのブースを訪れた(東31-50)。正面受付に当たるコーナーには,その青いロゴがバーンと出ており,新たな出発を訴えている(図1)。コンパニオンの制服や説明員のシャツも青系になっていた。しかし,新しい会社の方針の具体的な内容は,「100日プロジェクト」と呼ばれる同社の会議で検討されている段階で,合併後の新しいものを紹介した展示はなかった。ブースの端に展示されている電気自動車の近くに,この自動車に採用されているマイコンを紹介する掲示板がある。そこには,旧ルネサステク(正確には旧日立製作所,旧三菱電機),旧NECエレ(正確には同NEC)のマイコン・アーキテクチャ名が並び,ルネサス エレのバックグラウンドを感じさせるものになっている(図2)。

図2●三菱自動車工業の電気自動車「i\-MiEV」に搭載されているマイコン 旧日立(SuperH),旧三菱\(M32R\),旧NEC(V850)のアーキテクチャがそろう。Tech\-On!が撮影。
図2●三菱自動車工業の電気自動車「i-MiEV」に搭載されているマイコン
旧日立(SuperH),旧三菱(M32R),旧NEC(V850)のアーキテクチャがそろう。Tech-On!が撮影。
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 今回のESECで大きなブースを構えた半導体メーカーはルネサス エレとインテル(東26-50)くらいのものである。ここ1~2年,インテルのブースには,組み込み機器を狙ったMPUの「Atom」を搭載したボードが数多く並んでいた。今回はその動きが収まったようで,パートナのサブブースが並ぶという,インテルの伝統的なスタイルのブースだった(Tech-On!関連記事2)。この2社もそうなのだが,ESECという展示会の性格上,チップ単体の展示はあまり多くはない。チップの新製品も小さなボードに載せてモジュールという形で見せる展示は多かったようだ。以下では,チップ単体で紹介していた企業を中心に紹介する。