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 米Apple Inc.,米Broadcom Corp.,米Intel Corp.,情報通信研究機構(NICT)など30社以上の企業/団体が,60GHz帯のミリ波を活用した高速無線LAN方式の策定で連携することを明らかにした。無線LAN標準化団体「IEEE802.11」の作業部会「IEEE802.11ad(11ad)」において,無線伝送方式の策定に向けて共同歩調を採ることで合意した。これにより,仕様策定のスピードアップが期待できる。早ければ年内にも,暫定仕様に準拠した送受信チップセットが登場する可能性が出てきた。

 11adは,60GHz帯の広い周波数帯域を活用することで,数Gビット/秒の高速無線通信方式の策定を目指した作業部会(Tech-On!の関連記事)。家庭やオフィスの機器において,大容量データを瞬時にやりとりする用途に向けて,伝送方式の策定を進めていた。

 2010年5月前半に技術仕様提案を締め切った段階では,Intel社,そしてNICTをそれぞれ中心とするグループから,二つの技術提案があった。Intel社の提案は,同社が推進するWiGigの仕様をベースにしている( Tech-On!の関連記事)。一方でNICTは,IEEE802.15.3c仕様をベースにした提案を行った( Tech-On!の関連記事)。11adに参加する企業や団体は,早期の規格化を目指し,水面下で1本化に向けた調整を進めていた。2010年5月16日から中国・北京で開催されたIEEE802.11会合で調整が終了し,関連企業が合意形成について連名で発表した格好である。

 技術提案を1本化できた背景には,提案が似通っていたことが挙げられる。例えば1チャネル当たりの帯域幅は2160MHzで,単一搬送波の場合のサンプリング速度が1760MHz,複数搬送波の場合のサンプリング速度が2640MHzであることは,両提案とも同一だった。このほか,プリアンブル長やOFDMのFFTサイズ,一次変調方式などは非常に似通っていた。

 1本化に同意した企業にはこのほか,韓国Samsung Electronics Co.,Ltd.,フィンランドNokia社,東芝,NEC,米Microsoft Corp.,米Qualcomm Inc.などである。