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右が,4原色技術を搭載したシャープの米国市場向けの液晶テレビ。左は,比較用の3原色方式の液晶テレビ。SID 2010の展示会場で,同社が展示していた。
右が,4原色技術を搭載したシャープの米国市場向けの液晶テレビ。左は,比較用の3原色方式の液晶テレビ。SID 2010の展示会場で,同社が展示していた。
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 ディスプレイ関連最大の国際会議「SID 2010」の,多原色ディスプレイのセッションで,シャープが4原色技術の優位性について発表した(論文番号:19.5L)。多原色ディスプレイとは,カラー表示のベースとして通常のRGBの3色に加えて,黄色やシアンなどを追加したディスプレイを指す。シャープは,RGBの3色に黄色を追加した4原色液晶パネルを開発し,米国市場向けの液晶テレビに2010年春から搭載している。

 黄色を追加した4原色技術の利点について,同社はこれまで,色域(色再現範囲)が広がることや,光利用効率が高まることをアピールしていた。前者の色域については,原色に黄色を追加することで,通常の3原色ディスプレイでは再現できないような,より彩度の高い黄色を表示できるようになる。例えば,黄色いひまわりの花などを表示させると,両者の違いが分かりやすい。

 後者の光利用効率が向上するのは,従来は捨てていた黄色の波長領域のバックライト光を有効に利用できるようになるからである。ただ,通常の液晶パネルでは,3原色から4原色にすると,むしろ光利用効率は低下してしまう。1画素を構成するサブピクセルの数が3から4に増えることによる,パネル開口率低下の弊害の方が大きいためである。そこでシャープは,液晶分子の配向制御用のスリットや突起(リブ)を不要にすることで開口率を高められる光配向技術「UV2A」と組み合わせることによって,最終的に光利用効率を向上できるようにしている(Tech-On!関連記事)。光利用効率向上の結果,液晶パネルの低消費電力化(省エネ)や高輝度化が可能になる。

 これらの2点に加えて,今回シャープが4原色技術のアドバンテージとして示したのが「解像度の向上」である。画素単位でなくサブピクセル単位でレンダリング(画像生成のための信号処理)することで解像度を高める手法を使う。1画素内にストライプ状に並んだサブピクセル数が通常の3から4に増えることから,「解像度が4/3倍に向上する」(同社)と言う。なお,サブピクセル単位のレンダリングによる色シフトを抑えるために,信号処理を最適化する必要があり,これがノウハウになるとする。この解像度向上のための信号処理技術は現在開発中だが,「今後,自社の液晶テレビに載せていきたい」(同社)と言う。