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 総務省は2010年5月26日,「SIMロック解除に関するガイドライン(案)」を公表した(総務省:SIMロック解除に関するガイドライン(案))。同年6月23日まで意見募集を受け付け,その結果を踏まえて,最終的なガイドラインを策定する。早ければ同年6月末にも公表される見込みだ。

 SIMロックとは,携帯電話事業者が自社で販売する携帯電話機が他の携帯電話事業者で利用できないように施す措置のこと。ある携帯電話事業者が販売した携帯電話機に,その事業者以外の事業者が販売したSIMカードを挿しても,動作しないようにする。SIMカードには電話番号や識別番号が書き込まれている。SIMロックを解除することで,例えば,NTTドコモの携帯電話機にソフトバンクモバイルのSIMカードを挿入して使うことができるようになる。

 今回のガイドライン案では,2012年4月以降に販売される携帯電話機で「対応可能な機種からSIM解除を実施する」ことを携帯電話事業者に求めた。SIMロック解除は強制ではないものの,「携帯電話事業者による主体的な取り組みを求める」とした。

 ガイドライン案では携帯電話事業者と携帯電話機メーカーや販売会社などと協議して,不具合・故障の対応を決めることも求めている。SIMロック解除した機種の場合,携帯電話機を販売した事業者以外のSIMカードが装着されていると,サポート主体があいまいになるからだ。

 また,「特定の携帯電話事業者が販売する端末が他の携帯電話事業者のネットワークでも使えるように努めることが望ましい」とした。こうした文言を盛り込んだのは,(1)KDDIがCDMA2000であるのに対し,その他の携帯電話事業者がW-CDMAを採用しており相互に接続できない,(2)携帯電話事業者によって割り当てられている周波数帯が違うため両方の周波数に対応した機器以外で接続できない,という理由によってSIMロックを解除しても,機器を継続使用したまま他の事業者に乗り換えることができないケースがあるためである。携帯電話機メーカーは,複数の携帯電話事業者に対応した機器を作ることが求められそうだ。

 今回,SIMロック解除の強制はしなかったものの,総務省は,「SIMロック解除に係る事業者の取り組み」,「SIMロック解除に対する利用者などの評価」,「SIMロックが解除され,SIMカードが差し替えられた場合において利用可能となる通信サービスやアプリケーションなどの状況」を見ながら,今後の対応を考えるとしている。