PR
AMAT社のPinto氏
AMAT社のPinto氏
[画像のクリックで拡大表示]

 LSIや液晶パネル,さらには太陽電池などの製造装置を手掛ける米Applied Materials,Inc.(AMAT社)。太陽電池の戦略拠点を中国に開設し,さらにはLEDやLiイオン2次電池の製造装置の開発に着手するなど,グリーンデバイス関連の事業強化に乗り出している。製造装置メーカーの立場から見ると,太陽電池やLEDといったデバイスの将来像はどのように映るのか,なぜ太陽電池の研究開発拠点を中国に設けたのか・・・。AMAT社Executive Vice PresidentでGeneral Manager,Energy and Environmental Solutions and DisplayとCorporate Chief Technology Officerを兼任し,中国を拠点に活動するMark R. Pinto氏に聞いた。(聞き手:大久保 聡=日経エレクトロニクス)

AMAT社が注力する環境関連事業を教えてほしい。

Pinto氏 太陽電池,LED,スマート・ガラス,電池の大きく四つある。いずれも,我々が培ってきた半導体向けやディスプレイ向けの製造プロセス装置の技術を活用できる分野である。AMATが保有するナノマニュファクチャリング技術は,デバイスのエネルギー密度を上げて特性を向上させながら,量産性を高めて製造コストを引き下げることができる。
 4分野の中には既に事業を大きく進めているものもあれば,研究開発に着手して間もないものもある。このうち,太陽電池は結晶Si型と薄膜Si型向けともに,既に製造装置を数多く展開している。結晶Si型はウェハリング(Siウエハーの切り出し)装置や(配線形成などの)スクリーン・プリンティング装置の市場シェアが伸びている。薄膜Si型では,製造ライン「SunFab」を展開している。

LED,スマート・ガラス,電池では,AMAT社はどのような特徴を打ち出すのか。

Pinto氏 LED分野では(半導体結晶膜を形成する)MOCVD装置を展開する予定だ。MOCVDの良しあしは,LEDの特性,量産性,製造コストに直結する。Si半導体プロセスと比較すると,LEDの製造プロセスは歩留まりがまだまだ低いのが実状だ。これでは量産性が低くなり,製造コストが跳ね上がってしまう。歩留まりが高く,かつ高い発光効率を望める結晶膜を作れるMOCVD装置の開発に向けては,エネルギー効率が高い次世代固体照明に向けた米Department of Energyのプロジェクトから出資を受ける。

 スマート・ガラスと言えば,low-E(低反射)ガラスを連想することが多いだろう。Low-Eガラスはコモディティー化しており,low-Eガラス向けの製造装置市場は建設ラッシュが続く地区に限られる。2年ほど前までは,Low-Eガラス向けの製造装置市場は中東と中国だった。今は中国向けが90%以上だろう。我々が狙うのはlow-Eガラスの次の世代のスマート・ガラスである。low-Eガラスが薄膜を形成しただけのパッシブな機能のみを備えているのに対し,アクティブな機能を備えたガラスとなる。
 想定するスマート・ガラスは2種類ある。一つは,エレクトロクロミック機能を備えたガラスである。光センサなどと組み合わせ,光の透過を制御する。もう一つは,太陽電池機能を付加した建築用ガラス(BIPV:building integrated photovoltaics)だ。このようなBIPVは建築材として使えるような大型化ができるかどうかが課題になるだろう。AMATは,巨大なガラス基板を使った薄膜Si型太陽電池を製造できるSunFabを持っている。BIPVにはこの技術を活用できる。

 電池分野では,我々のナノスケールの層構造を形成できる技術と装置を電極形成などに活用していく。特性向上に効果を発揮しつつ,同時に製造コストの低減に効果があるとみている。2010年4月末,我々は米A123 Systems, Inc.とともに,先端Liイオン2次電池の製造技術の開発に向けてARPA-E(米DOEの傘下にあるエネルギー先端計画研究局Advanced Research Projects Agency-Energy)から出資を受けることが決まった。