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図1 富士通が製品化する,LTE対応端末に向けたRFトランシーバIC「MB86L10A」
図1 富士通が製品化する,LTE対応端末に向けたRFトランシーバIC「MB86L10A」
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図2 NTTドコモが「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2010」に出展していたLTE対応通信モジュールの試作機。写真中央に見える縦長のICに,MB86L10Aと同一の刻印があった
図2 NTTドコモが「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2010」に出展していたLTE対応通信モジュールの試作機。写真中央に見える縦長のICに,MB86L10Aと同一の刻印があった
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 富士通セミコンダクターは2010年6月2日に,次世代の移動通信方式「LTE」(long term evolution)に対応する端末に向けたRFトランシーバIC「MB86L10A」を製品化すると発表した(図1発表資料)。LTEや既存の通信方式が使われる各種の周波数帯への対応,ベースバンド処理LSIとのインタフェース規格の高速版への対応などを行った。2010年8月にサンプル出荷を開始する。

 ベースバンド処理LSIとのインタフェース規格として,MIPI Allianceが定めた「DigRF Ver4」(4G-DigRF)と3G-DigRFの両方に対応した。4G-DigRFは,LTEでの高速データ通信に対応するために3G-DigRFを拡張した規格である。ベースバンド処理LSIが,このDigRFインタフェースを介してMB86L10Aを制御できる。MB86L10Aの汎用入出力に接続したパワー・アンプや電源IC,アンテナ・スイッチなどを制御することも可能である。

 受信部は,9種の周波数帯の入力に対応する。9個のすべての入力チャネルにLNA(低雑音増幅器)を内蔵しており,GSMの受信以外ではSAWフィルタを不要にした。ダイバーシチ受信などに利用する5個の追加入力ポートも備える。

 送信部は,パワー・アンプを直接駆動できる8個の出力ポートを備える。この出力部もSAWフィルタを不要にした。これによって部品点数や実装面積の削減が実現できると富士通セミコンダクターは説明する。

 対応可能な周波数帯は次の通り。GSMがGSM850,EGSM900,DCS1800,PCS1900。W-CDMAがバンドI,II,III,IV,V,VI,VIII,IX,X,XI。LTEがバンド1,3,4,6,7,8,9,10,11,13,17。TDDモードのLTEがバンド38,40である。ファームウエアを変更することで利用する周波数帯を切り替えられる。

 MB86L10Aは,NTTドコモが2010年5月に国内で披露したLTE対応通信モジュール試作機に実装されていたものと同一とみられる(Tech-On!の関連記事図2)。パッケージ寸法は6.5mm×9.0mm。端子数が230で端子ピッチが0.5mmのBGAパッケージに封止した。