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【図1】年間2万株の葉野菜を生産できる店舗設置型の植物工場「シェフの農園」。
【図1】年間2万株の葉野菜を生産できる店舗設置型の植物工場「シェフの農園」。
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【図2】栽培棚の右端部分。右から左に向かって、種を巻いた日が1日前になる。(展示会のため、フレームは4日間、動かしていない)。
【図2】栽培棚の右端部分。右から左に向かって、種を巻いた日が1日前になる。(展示会のため、フレームは4日間、動かしていない)。
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【図3】栽培棚の左端。1番左側の野菜を収穫する。(展示会のため、写っている野菜はすべて収穫できる段階まで成長している)。
【図3】栽培棚の左端。1番左側の野菜を収穫する。(展示会のため、写っている野菜はすべて収穫できる段階まで成長している)。
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【図4】種まきや収穫のための作業空間。栽培スペースを前側にスライドさせることで、この空間が生まれる。
【図4】種まきや収穫のための作業空間。栽培スペースを前側にスライドさせることで、この空間が生まれる。
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 電通ファシリティマネジメント(本社東京)は、飲食店などの店舗内に設置可能な小型植物工場「シェフの農園」の受注を2010年6月に開始し、同年夏に発売する。「FOOMA JAPAN 2010(国際食品工業展)」(2010年6月8~11日、東京ビックサイト)に出展した。1日に60株(1年に2万株)の葉野菜(リーフレタス)の収量を見込め、約5年間で投資を回収できる価格設定としている。

 シェフの農園は、幅2750×奥行き1270mmの栽培面積を持つ養液栽培棚を5段持つ。この栽培棚に、野菜1株ごとに独立したスポンジを複数個はめ込んだ細長い金属フレームを設置する。金属フレームは野菜の成長に合わせて、栽培棚を右から左へと少しずつ移動する。つまり、右端で種をまき、左端で収穫する。フレームの移動は手動で行うが、チェーンで連結した機構でフレームを連動させられるため、大きな手間にはならない。1日分の野菜を収穫してフレームを動かし、種をまくのに1時間ほどで済むという。

 照明としては、40Wの蛍光灯を1段当たり12本設置してあり、培養液や温度の制御も含めて段ごとの個別制御が可能だ。このため、5段で5品種を栽培できる。通常時の外形寸法はエアシャワー部分を含めて幅3940×奥行き1460×高さ2330mmで、栽培スペースが前側にスライドすることで背面に作業空間を確保する。

 リーフレタスの場合は種付けから収穫までの所要日数は約32日で、各段に設置するレールの本数はこれと同じになる。1本のレールでは12株の野菜を育てるので、1日あたりの収量は5段で60株、1年間では約2万株となる。1株当たりの一般的な価格を100~120円とすると、年間で200万~240万円の売り上げが見込めるというわけだ。

 ランニングコストとしては、電気代が年間で約40万円、種や養液の費用が年間で約8万円の合計48万円が必要となる。つまり、年間の利益が150万円から200万円弱となり、初期投資である装置の価格(約830万円)を約5年で回収できるという計算である。「無農薬野菜の価格は一般野菜よりも高いので、植物工場で無農薬化を実現できることを考えれば、回収までの期間はもっと短くなる」(電通ファシリティマネジメント)。

 シェフの農園の製造元はサンパワー(本社静岡県袋井市)で、電通ファシリティマネジメントが販売する。両社は2009年10月に販売代理店契約を締結している。電通ファシリティマネジメントは関東経済産業局の「平成21年度先進的植物工場推進事業」に採択されており、2009年11月から2010年2月までは東京都港区の「カレッタ汐留」内に第1号の試作機を、2010年3月にはさいたま新都心合同庁舎に第2号試作機をモデル工場として展示し、普及活動を行ってきた。第1号試作機は、2010年4月にオープンしたレストラン「ラ・ベファーナ」に設置し、植物工場で栽培した野菜を使ったメニューを用意する。

 電通ファシリティマネジメントは今後、飲食店だけでなく教育機関(学校給食)や百貨店、量販店などに対してもシェフの農園を販売していく方針だ。