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図1 ソニーの25型の有機ELテレビの試作機
図1 ソニーの25型の有機ELテレビの試作機
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図2 パナソニックの3D対応PDPテレビ
図2 パナソニックの3D対応PDPテレビ
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図3 ソニーの3D対応の液晶テレビ
図3 ソニーの3D対応の液晶テレビ
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図4 Samsung社が製品化した3D液晶テレビ
図4 Samsung社が製品化した3D液晶テレビ
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図5 業界最高の輝度をうたうシャープのテレビ向け3D液晶ディスプレイ
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図6 東芝は「CELL REGZA」の第2弾として,3Dテレビを発表
図6 東芝は「CELL REGZA」の第2弾として,3Dテレビを発表
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図7 三菱電機は3D対応のレーザ・リアプロ・テレビを製品化
図7 三菱電機は3D対応のレーザ・リアプロ・テレビを製品化
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図8 東芝が製品化した裸眼対応の3Dテレビ
図8 東芝が製品化した裸眼対応の3Dテレビ
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図9 任天堂が2011年2月に発売する携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」
図9 任天堂が2011年2月に発売する携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」
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図10 3D対応のスマートフォンも登場。写真はシャープ製の「003SH」
図10 3D対応のスマートフォンも登場。写真はシャープ製の「003SH」
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 数年にわたり展示会などで注目を集めてきた3次元(3D)映像表示技術。2010年は,3D映像に対応した民生機器が次々に製品化された一年だった。

3Dテレビ投入に沸く

 2010年に入り,3D映像に関する製品で最も注目を集めたのが「3Dテレビ」である。2010年1月開催の「International CES」では,国内外の大手家電メーカー各社が,製品化を予定する3Dテレビを一斉に展示したほか,コンテンツ業界との連携も発表された(Tech-On!の特設サイト)。新たな技術として,ソニーがフルHD対応の25型有機ELテレビ(Tech-On!の関連記事1),パナソニックが「4K×2K」(4096×2160画素)のPDPテレビの展示も見られた(Tech-On!の関連記事2)。まさに,“元年”に相応しい盛り上がりといえる状況だった。

 2010年2~3月には,3Dテレビの製品発表や発売が本格化する。国内市場で先行したのは,3D映像の表示方式やコンテンツを格納するBlu-ray Disc(BD)などの規格統一を主導してきたパナソニックとソニーの2社である。パナソニックが2010年2月にPDPテレビを(Tech-On!の関連記事3),3月9日にはソニーが液晶テレビを(Tech-On!の関連記事4),それぞれ発表した。

 一方,薄型テレビ市場で世界シェア首位の韓国Samsung Electronics社は2月26日に,シェア2位の韓国LG Electronics社は3月9日に,韓国内でそれぞれ3Dテレビを発売(Tech-On!の関連記事5Tech-On!の関連記事6)。この時点での各社の販売目標は,ソニーが250万台以上,Samsung社が200万台以上,LG社とパナソニックがそれぞれ100万台以上と各社の鼻息は荒かった。

 2010年4月以降,他の国内メーカーの参入が相次いだ。国内テレビ市場首位のシャープが,4月12日にテレビ向け技術を(Tech-On!の関連記事7),5月31日に製品を発表した(Tech-On!の関連記事8)。東芝は7月28日に,三菱電機は7月29日に,それぞれ3Dテレビを発表した(Tech-On!の関連記事9Tech-On!の関連記事10)。日立コンシューマエレクトロニクスも,2010年度内に3Dテレビを市場投入するとしていたが,現時点で製品化されていない(Tech-On!の関連記事11)。

高画質化競争が再燃

 3Dテレビの製品化に伴い,テレビの高画質化競争も再燃した。各社が3D映像表示に採用した専用メガネを必要とする「フレーム・シーケンシャル」方式の課題は,クロストーク(左目と右目の映像が重なり合って見える状態)の発生と明るさの低下の大きく二つ。これらの改善に向け,各社はさまざまな工夫を図った(日経エレクトロニクスの解説記事)。パナソニックはインパルス表示型のディスプレイであるPDPの応答速度の速さを生かし,クロストークの発生をさらに抑える工夫を盛り込んだ(Tech-On!の関連記事12)。

 一方,ホールド表示型の液晶パネルを採用するメーカー各社も,パネルの駆動周波数を240Hzに高めたほか,LEDバックライトの発光方法に工夫を加えるなどの対策を施した。さらにシャープは,「UV2A技術」と「4原色技術」,「FRED(フレッド)技術」,「サイドマウントスキャニングLEDバックライト技術」と呼ぶ四つの独自技術を導入することで,クロストークの発生を抑えたほか,テレビ向けの3Dディスプレイとして,「業界最高となる100cd/m2以上の輝度を実現した」(同社)という(Tech-On!の関連記事7)。大型液晶パネルの自社の製造ラインを持たないソニーも,独自の高速液晶表示技術「FPA」の開発を進めている(Tech-On!の関連記事13)。

 専用メガネを必要としない3Dテレビも登場した。東芝は「CEATEC JAPAN」の前日となる2010年10月4日,裸眼で3D映像を視聴できる20型と12型の液晶テレビを発表した(Tech-On!の関連記事14)。3D映像の表示には,グループ会社である東芝モバイルディスプレイが開発したレンチキュラ・レンズを用いる「インテグラル・イメージング方式」を採用した。3D映像の見える範囲は左右15度,視点数は9である。3D表示時の画素数は,20型品が1280×720(総画素数は829万4400),12型品が466×350(総画素数は147万)とする。なお同社は,さらなる大型品の開発も進めており,56型の試作機を披露している(Tech-On!の関連記事15)。

販売では苦戦も

 こうした3Dテレビの盛り上がりの一方,国内市場における販売は苦戦を強いられている。BCNの調査によると,2010年9月時点での国内薄型テレビ市場に占める3Dテレビの販売構成比は2.5%と低い。そのうち約半数は,3D映像の視聴に必要な専用メガネが同梱されない「3Dレディー」と呼ばれるモデルだ。BCNはこの原因を,3Dコンテンツの少なさと,価格の高さの二つが影響したと分析する。

 ただし国内における3Dコンテンツに関しては,BSを中心に放送局側が3D映像に対応したレギュラー番組が,徐々にではあるが増加しつつある。加えて各社が“3Dテレビ商戦のピーク”に掲げていた年末商戦はまだ始まったばかり。その結果に注目したい。

モバイル機器の3D対応も進む

 さらに,2010年末~2011年にかけては,3D映像に対応した携帯機器が続々と市場投入される。中でも注目なのが,任天堂が2011年2月26日に発売する携帯型ゲーム機「ニンテンドー3DS」だ(Tech-On!の関連記事15Tech-On!の関連記事16)。

 3DSは,3D対応機で必要となるほとんどの機能をこれ1台に盛り込んだほか,ゲーム・ソフトや3D映像コンテンツの供給体制の整備にも注力する。3DSが成功するかしないかは,3D対応の民生機器の今後を占う試金石となりそうだ。