PR
家電製品の電源コードとコンセントの間に挟む「電力監視センサ」
家電製品の電源コードとコンセントの間に挟む「電力監視センサ」
[画像のクリックで拡大表示]
異常が検知されれば,高齢者の家族にメール送信
異常が検知されれば,高齢者の家族にメール送信
[画像のクリックで拡大表示]
今回の実験の概要と,参加団体への依頼内容
今回の実験の概要と,参加団体への依頼内容
[画像のクリックで拡大表示]

 NECシステムテクノロジーは,同社が開発した「24時間安否見守りシステム」の実証実験を,2011年1~3月に実施する。この実験の実施に当たり,自治体やNPO法人などの参加団体を募集すると発表した。

電力を監視して利用状況を推定

 24時間安否見守りシステムは,高齢者の見守りに向けたもので,2010年7月に開発を発表した。テレビや冷蔵庫,ポットなど高齢者の家庭にある家電製品の動作状況をモニタリングして,使われ方に異常があれば高齢者の家族にメールで自動通知するシステムである。具体的には,家電製品の電源コードとコンセントの間に「電力監視センサ」を挟むことで,家電製品の動作状況を推定する。

 電力監視センサは,マイクロプロセサや電力測定チップ,無線LANモジュールなどを搭載し,電力測定チップで得た家電製品の消費電力を無線LANで管理サーバーに送る機能を備える。1個のセンサに対して,複数の家電製品の電源コードを差し込むことができる。

 管理サーバー側では,センサで取得した電力波形を基に,どの家電がどのように使われたかを推測する。例えばポットの場合,自動沸騰と自動保温では自動沸騰の方が電力を消費したり,給湯時はモータが動作するため電力の昇降が激しくなったりする特徴がある。こうした電力波形の変化から,「ポットが使われた」ことや「お湯を沸かし,保温状態になった後,お湯を入れた」ことなどを推測する。

 こうして推測した家電製品の利用状況から,通常とは異なる利用パターンや,明らかに変な利用パターンなど,異常の度合いを判定し,高齢者の家族に通知する。

3団体を募集

 NECシステムテクノロジーは,このシステムの有効性を確認するために,既に2010年2~3月に奈良県の生駒市と奈良市の50世帯で実証実験を実施した。この実験において,「高齢者の94%,家族の97%からこのサービスを実際に利用したいとの結果を得た」(同社)ことなどから,今回,新たな実証実験を実施する。今回は主に,運用面でのニーズなどを探ることを目的とする。

 今回,募集するのは,「自治体・NPO法人・またはそれに準ずる団体」(同社)など3団体。日本国内において,2011年1~3月のうち1カ月間で実施する。

 参加団体には,次の4点の協力を依頼するという。
(1)インターネット接続環境にかかる費用の負担
(2)安否通知を受信するための電子メールにかかる費用の負担
(3)各高齢者の家庭への電力監視センサなどの設置,および実験終了後の回収
(4)実験終了後のアンケートへの回答

 今回の実証実験への申し込みや問い合わせ先は,以下の通り。
NECシステムテクノロジー 見守り実験受付係
FAX:0743-72-3592
E-mail: ishida-kxb@necst.nec.co.jp