日本電信電話(NTT)は,2011年2月22~23日に開催中の「NTT R&Dフォーラム2011」(NTT武蔵野研究開発センタ)で,「ウェアラブルセンサ」を試作し,実演した。腕輪型のセンサ・デバイスで,装着した人が日常生活の中で何をしているかが分かるようになることを目指しているという。高齢者向けの見守りサービスや,日常の行動を日記風に記録する「ライフログ」,ユーザーの状態に応じて家電のサービスを切り替えたり広告などを出す,といった用途を想定する。
このウェアラブルセンサは,腕時計のように腕にはめて利用する。試作品は,小型カメラ,加速度センサ,方位センサ,照度センサ,およびマイクからなり,腕の振動やカメラに映った映像の色,マイクの音などの情報の組み合わせから,人が何をしているかを推定する。このセンサ・デバイスは,有線ケーブルでパソコンにつながっているが,ケーブルがないSDカードに情報を記録するタイプのセンサ・デバイスも試作した。
実演では,掃除機をかけていること,ミルクやココアを飲んでいること,歯磨きをしていることなどを識別できることを披露した。
この他には,パスタをゆでる,ご飯を炊く,魚に餌をやる,音楽を聴く,コーヒーを入れる,お茶を入れる,ジュースを作る,紅茶を入れる,アロマテラピーを楽しむ,サプリメントを飲む,お皿を洗う,観葉植物に水をやる,の計15種類の行動を8~9割の確率で区別できることを確認している。
腕輪型センサの他には,センサの検知情報を記録,表示するパソコン向けソフトウエアも開発した。将来は,装着しても気にならない程度にカメラなどを大幅に小型化したセンサ・デバイスの開発を目指すという。