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 米Analog Devices,Inc.は,902M~958MHzの無線帯域に向けたRFトランシーバIC「ADF7023-J」を発表した(関連資料)。電気やガス,水道などのスマートメーターやHEMSなどに向ける。同社の「ADF7023」が対応する周波数帯域を変更し,950MHzを利用する日本の「ARIB STD-T96」規格に準拠するようにした,日本市場を強く意識した製品である。日本で今,各種インフラにスマートメーターを導入する実証実験が増えてきた。日本の規格に対応したRFトランシーバICを投入することでインフラ事業者などの製品認証を受け,今後のスマートメーターが大量に導入される際のADF7023-J採用につなげたい考えである。

 日本では700MHz帯と900MHz帯の周波数再編の方針が決まり,スマートメーターなどで使える周波数帯域が現行の950M~957MHzから915M~928MHzに移る。ADF7023-Jは現行および再編後のいずれの周波数帯域もカバーする。現段階では新たな周波数帯域での規格が決まっていないが,対応する周波数帯域の変更は容易とする。例えばADF7023-J を使った950MHz帯に対応するスマートメーターは,IC内のレジスタを書き換えるだけで新たな周波数帯に変更できるという。このため,今回のICを使ったスマートメーターなどの機器を長く使えるとする。さらにIEEE802.15.4gやIEEE802.15.4eへの対応も視野に入った製品であるという。

 ADF7023-Jのデータ伝送速度は最大300kビット/秒である。複数ノードからのデータをまとめて伝送,検針データを蓄積して一定時間おきにまとめて伝送,住宅密集地で求められることが多い短時間でのデータ伝送,あるいはスマートメーター自身のファームウエアの遠隔更新などを想定し,高いデータ伝送速度にしたという。+10dBmのアンテナ端出力での運用が可能とする。受信時の消費電流は標準12.8mAに抑えたという。スプリアス・エミッションは945M~950MHzで-66dBm/100kHz,958M~960MHzで-59dBm/100kHz。ADF7023-JはRF回路のほかに,ADF7023と同様にパケット処理用として8ビットのRISCプロセサを搭載している。ファームウエア・モジュールのダウンロードが可能で,システム更新が実行できる。

 電源電圧は+1.8~3.6V。パッケージは,5mm×5mmの32端子LFCSPである。現在サンプル出荷中であり,2011年4月頃から量産を開始する予定。1000個購入時の単価は,2.62米ドル。

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