東京エレクトロン(TEL)は,今回の地震に伴う3月17日午前時点での同社グループの状況を発表した。同社は地震発生直後に社長の竹中博司氏を本部長とする対策本部を立ち上げて対応してきた(Tech-On!関連記事)。
まず従業員の状況については,17日までに地震対象地域に勤務する社員1141名全員の無事を確認した。しかし,安否不明な社員家族や派遣社員が残っており,この確認に取り組んでいくとする(派遣社員については派遣元と連携を取りながら)。家屋の倒壊や浸水の被害を受けた社員に対しては,当該地区の社宅などの提供を始めた。
次に生産拠点の状況について。この地域には熱処理成膜装置を生産する東京エレクトロン東北(岩手県奥州市),東京エレクトロン技術研究所(宮城県仙台市),エッチング装置を生産する東京エレクトロンAT(宮城県松島町)の3拠点がある。いずれも火災や水害などは発生しておらず,外部に目立った損傷もないが,安全を確認した上で工場内の調査をしたところ,一部に被害が確認されたと言う。
今後に向けては以下の通り。東京エレクトロン東北の奥州拠点は,既にライフラインが復旧しているため,約2週間で生産体制が整う見込みである。一方,東京エレクトロン技術研究所の仙台拠点と東京エレクトロンATの松島拠点は,現地の水供給が復旧次第となる。仙台拠点は水供給が復旧してから約1週間,松島拠点は同じく約2~4週間で,それぞれ生産体制が整う見込み。ただし,TELではライフライン復旧の長期化も想定し,エッチング装置については,従来から同装置を生産している山梨県韮崎市の生産ライン拡張も並行して進めていると言う。なお地震対象地域にある倉庫の被害は軽微だったとする。
最後にサプライ・チェーンの状況については,供給先が600社を超えるためにまだ確認中であり,ユーザーに対しては装置の製造・出荷,パーツ供給,サービスの提供などを個別に連絡すると言う。なお現況から想定される被害が業績に与える影響は軽微と見ており,もし今後重大な影響が見込まれるようになれば速やかに開示するとした(発表資料)。