オランダNXP Semiconductors N.V.は,10Gビット/秒のデータ伝送速度に対応したマルチプレクサ/デマルチプレクサ用スイッチIC「CBTL02043」を開発し,製品化を始めたと発表した(ニュースリリース)。CMOS技術で製造した。同社によると,「10Gビット/秒対応のスイッチICは,業界で最も高速」という。用途は,デスクトップ・パソコンやノート・パソコン,サーバーなど。PCI Express Gen3やUSB 3.0,DisplayPort 1.2,SAS/SATAなどの高速インタフェース規格に対応する。
2対1のスイッチICで,マルチプレクサとしても,デマルチプレクサとしても使用できる。つまり,双方向での信号伝送が可能だ。入出力信号ともに差動形式である。1チャネルは,2対の差動信号で構成されている。-3dBの周波数帯域幅は10GHz。挿入損失は,100MHzにおいて-0.5dB,4GHzにおいて-1.3dB。反射損失は4GHzにおいて-20dB。 クロストークは,4GHzにおいて-35dB。オフ状態の絶縁特性は,4GHzにおいて-20dBである。差動ペア間のスキューは,標準値が5ps,最大値が35psである。
静電気放電(ESD)耐圧は,人体放電モデル(HBM)の場合に2kV,帯電デバイス・モデル(CDM)の場合に1kVを確保した。電源電圧は+3.3V±10%。シャットダウン端子を用意しており,ここに信号を入力することでパワー・セービング・モードに移行できる。このモードでの消費電流は1μA(最大値)である。パッケージは,外形寸法が2.5mm×4.5mm×0.85mmの20端子DHVQFN。端子配置が異なる二つのバージョンを用意している。入力,もしくは出力の二つのチャネルが,パッケージの同じ側面に配置された「CBTL02043A」と,二つのチャネルがパッケージの向かい合った側面に配置された「CBTL02043B」である。1000~1万個購入時の米国での単価は0.90米ドルである。