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新たな安全対策の一覧
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安全対策のイメージ
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 東北電力は、管内の原子力発電所の新たな安全対策を作成し、一部対策の適用を開始した(ニュースリリース)。対象は、女川原子力発電所(宮城県石巻市)と東通原子力発電所(青森県・東通村)。東京電力の福島第一原子力発電所および同第二原子力発電所が津波で被災したことを考慮し、一層の安全確保を図る。

 2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震発生時に稼働中だった女川原子力発電所の1~3号機は、設計通りに自動停止しており、現在は原子炉の温度が100℃未満の「冷温停止状態」である。一方、地震発生時に定期検査のために停止中だった東通原子力発電所1号機は、現在も安全に停止している。だが、津波によって深刻な損壊を受けた福島原子力発電所の状況から、一層の安全対策が必要と東北電力は判断した。

 今回同社が取りまとめた安全対策は、(1)外部電源や非常用電源が喪失した場合の電源確保、(2)津波による海水系施設浸水時の機能維持、(3)緊急時の使用済み燃料プールへの注水手段確保、(4)その他、という4つの柱から成る。

 そのうち(1)については発電所の構内に電源車を常時配備することで、(2)については冷却用の海水をくみ上げるポンプの駆動モータの予備品を確保することで対応する。これらは既に実施済みである。

 (3)では、使用済み燃料プールに向けて消防車で注水を行うための経路を確保することが課題となる。(4)は、具体的には「配管などが建屋の壁を貫通している箇所における密封性の確認」「電源車を用いた電源復旧訓練、使用済み燃料プールに対する消防車による注水に関する訓練の実施」「緊急対応のための非常用ディーゼル発電機および非常用炉心冷却系などの点検」が挙げられる。これらの対策については今後、確認・計画・点検を進める。