米NetLogic Microsystems,Inc.は、3G/4G LTEのBase Station向けDFE(Digital Front End)プロセサを製造している米Optichron Inc.を買収した事を明らかにした(発表資料)。Optichronの株主に対し、約7700万ドルの現金をまず支払う。また今回の買収に伴い、NetLogicに移籍するOptichronの従業員に対し、約2200万ドル相当のRSU(Restricted Stock Unit)を支払う事も明らかにした。Optichronの株主に対し、2012年の業績達成度に応じたearn-outを約束している。earn-outは2013年3月末までに最大1億850万ドルとなるほか、同日のNetLogicの株価で1250万ドル相当の普通株を支払うことも検討中とする。既に買収は両社の取締役会で承認されており、今年第2四半期中の買収完了を予定している。
Optichron, Inc.は、米カリフォルニア州フレモントに本社を置く株式非上場のファブレス半導体企業であり、次世代LTEに求められる低消費電力で高い処理性能を発揮するDFEのテクノロジを所有している。同社の製品は競合製品と比較した場合、信号あたりで5倍、トータルでは9倍のデータ帯域を提供することが可能となっている。また周波数帯域で複数の信号を処理する場合のスペクトル効率が非常に高いことも特徴の一つであり、これは2G及び3Gプロトコルと4G LTEプロトコルが混在する環境で有利に働く。OptichronのDFEプロセサを使うことで、FPGAなどを使う既存のデザインと比べて部品コスト及び消費電力面でも有利であるとしている。特に消費電力に関しては、既存のデザインと比較して80%改善される、としている。
今回の買収により、NetLogicは現在の製品ポートフォリオに加えて3G/4G LTEベースステーションまでをカバーすることになる。同社はOptichronの製品を、40nmプロセス及び将来のより微細化したプロセスで製造する事を予定している。