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 双日と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は2011年3月30日、オーストラリアのLynas社に2億5000万米ドルを出資・融資すると発表した。双日はその見返りとして2012年第4四半期から10年間、年間8500トン(±500トン)以上のレアアース製品の安定供給を受ける。この量は日本のレアアース年間消費量の約3割に当たるという。

 Lynas社はオーストラリア国内で操業している鉱山会社である。現在、西オーストラリア州にあるマウント・ウェルド鉱山においてレアアースの生産準備をしている。マウント・ウェルド鉱山ではネオジムやランタン、セリウムなどの軽希土類が産出する。ネオジムは電気自動車用の高性能モータの磁石材料、ランタンは光学ガラスの添加剤、セリウムはガラスの研磨剤として必須の元素である。

 Lynas社への出資は、双日とJOGMECが設立した会社「日豪レアアース」を通して行う(出資比率は双日が6%、JOGMECが94%)。Lynas社への出融資の総額2億5000万米ドルのうち、10%を出資、90%を融資に振り分ける。Lynas社では2段階に分け、マウント・ウェルド鉱山でのレアアース製品の生産を実施する。第1段階では2011年第3四半期から年間1万1000トンのレアアース製品を生産する。2012年第4四半期からは第2段階に入り、1万1000トンのレアアース製品を追加で生産する。双日はこの第2フェーズから10年間の長期供給を受ける。ただし、第1フェーズでの生産においても、必要量のレアアース製品を購入するという。