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今回受注した製品 富士電機のデータ。
今回受注した製品 富士電機のデータ。
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 富士電機は,米国ワシントンDCの交通局「Washington Metropolitan Area Transit Authority:WMATA」の7000系鉄道車両に向けた「リニアドア駆動装置」と「補助電源装置」を受注したと発表した(ニュース・リリース1)。この案件は,WMATAより川崎重工業の米国現地法人Kawasaki Rail Car,Inc(KRC)が受注したもの。今回の契約数量は初回発注の364両分だが,追加発注の付随条項があり,すべての付随条項が行使された場合,総契約総数は748両分となる。

 初回発注の364両分については,2011年夏から納入を開始する予定という。富士電機が今回受注したリニアドア駆動装置と補助電源装置の概要は次の通りである。まず,リニアドア駆動装置。これは,364両の2184開口分を受注した。同装置は,車両の乗降用ドアに使われるシステムである。電子制御によって,高機能できめの細かいドア制御を実現でき,他の駆動方式によるドア装置と比較して,メンテナンス性や信頼性,安全性の面で,優れているという。

 一方,補助電源装置は364両の364台分(82.4KVA:DC750V/AC230V,120VおよびDC37.5V)を受注した。この装置は,鉄道架線(第三軌条)より取り込んだ電気を各電圧に変換し,車両の空調や照明に電気を分配するシステムである。同社が長年培ってきた,パワー・エレクトロニクス技術を適用することによって,効率的で信頼性の高い,補助電源装置になっているという。

 なお,今回,受注したリニアドア駆動装置と補助電源装置の生産では,「バイアメリカ法」が適用される。このため,鉄道車両用電機品分野において業務提携を結んでいる「東洋電機製造」の米国現地法人と連携して生産する(当時のニュース・リリース2)。今後,富士電機は,世界各国で計画されている都市交通の整備や都市間高速鉄道の新設などのプロジェクトへの受注活動を積極的に行い,海外案件への取り組みを加速するという。