三菱重工業は、2011年4月11日に中国・北京市で開幕する「第12回中国国際工作機械展覧会(CIMT 2011)」に、中国・常熟市の工場で生産を開始し同年5月から出荷する予定の歯車機械を出展する(ニュースリリース)。現地生産の開始は、中国市場における自動車生産台数の急増で現地関連メーカーの設備需要が増加しているのに応えるのが狙いだ。
現地生産を始めた歯車機械は、2002年に市場投入した切削油不要のドライカット・ホブ盤「GE15A」。世界で初めて完全ドライカットを実現した同社歯車機械の主力機種で、最大径150mmまでの歯車を加工できる。自動車、二輪車、建設機械や各種減速機などで使われる高精度な歯車加工向けを中心に拡販していく。生産台数は初年度約40台、4年後に約100台を見込む。
同社はCIMT 2011にGE15Aの他、門形5面加工機「MVR30」を展示する予定だ。同機は自動車用金型や産業機械・建設機械などの大型部品の加工用を中心に納入実績を持つ。顧客ニーズを取り入れたオプション装備の充実を図っており、それらの機能を訴求する。
なお、GE15Aを生産する工場は三菱重工(常熟)機械公司が2010年8月から建設を進めてきたものだ。約5000m2のスペースに、歯車機械生産用の組み立てや計測関連の設備を導入。実機を展示するとともに、テストカットや加工技術コンサルティングなどの各種サービスも提供する。従業員の育成にも力を注いでおり、日本と同一水準の技術と品質による生産およびユーザー・サービスができる体制を整えた。
CIMTは中国最大の国際工作機械展示会で、1989年以来隔年で開催されている。最近は「世界三大工作機械見本市」といわれる米国のIMTS(シカゴショー)、欧州のEMO(欧州国際工作機械展)、日本のJIMTOF(日本国際工作機械見本市)にも匹敵する評価を得るようになった。