ロームは、自動車のLED(発光ダイオード)後部ランプ向けに専用ドライバLSI「BD8372HFP-M」を開発した(ニュース・リリース)。自動車用の後部ランプに必要とされる120mAを大きく超える200mAの出力を確保した。LEDの輝度を左右する出力電流の精度を±3%と、従来のLSIを使う場合に比べて半分以下に、ディスクリート部品構成の場合と比べて、ばらつきを1/4以下に抑えた。2011年3月からサンプル出荷を始める。サンプル価格は300円/個、2011年6月から当面月産5万個の規模で量産を予定している。前工程をローム・ワコー(岡山県)、後工程をタイROHM Integrated Systems社で造る予定。
自動車の後部ランプは、LED化が急速に進んでおり、消費電力が低く寿命が長いといった特長を背景に、今後も後部ランプのLED化が進むと考えられる。また、現在のLED後部ランプは、LEDデバイスを10~20個使っているが、LEDの輝度が高まり、普及車に浸透させるために、LEDのデバイス数やそのほかの部品点数を削減しようというニーズが高まっている。こうした市場の流れの中で、LEDドライバLSIについても、精度と出力を高めるニーズがあり、後部ランプの高性能LEDドライバの開発が待たれていた。今回ロームが開発した後部ランプ専用LEDドライバLSIは、出力電流200mAと従来のLEDドライバに比べて3~5倍程度の出力電流を確保することでLEDの輝度を高められるようにした。また、出力電流精度を大幅に改善したことでLEDのばらつきに対する許容範囲を広げ、後部ランプ組み立て工程での歩留まり改善に貢献する。