東日本大震災からの復旧/復興の最中に,宮城県沖で発生した4月7日の大規模な余震(気象庁の地震情報のページ)。いくつかの企業から,3月11日の大震災から復旧したばかりのラインが再び停止したり,復旧作業の期間が延びるなどの影響が報告されている。
例えば,東京エレクトロンは,進めていた復旧スケジュールに大きな変更はないとしながらも,次の3カ所の状況を4月8日に伝えた(ニュース・リリース)。熱処理成膜装置を生産する「東京エレクトロン東北」(岩手県奥州市)は,工場建物に大きな被害はなかった。8日時点で水道と電気が停止しているが,一両日中に復旧する見込みのため,11日の週から操業を再開する予定とする。
RLSAエッチング装置を生産する「東京エレクトロン技術研究所」(宮城県仙台市)も,工場建物に大きな被害はなかった。水道,電気,ガスは通常通り供給されていて,8日時点で,工業用水の復旧待ちの状態だった。週明けより操業を再開する予定とする。
エッチング装置を生産する「東京エレクトロン宮城」(宮城県松島町)は,工場の物流棟に一部被害があるが,短期間に修復可能の範囲という。同所は3月に発生した地震からの復旧過程にあり,今回の地震により,さらに10日間ほどの修復作業が必要になった。5月上旬より操業を再開する予定。ただし,同所で生産しているエッチング装置は,山梨で生産体制を整えているため,全体の生産スケジュールに大きな影響はないとしている。
エルピーダメモリでは,「秋田エルピーダ」が余震の直後に発生した停電により操業を停止していたが(ニュース・リリース),8日に電源供給が開始され,順次設備を立上げて生産を再開すると発表した(ニュース・リリース)。なお,エルピーダのDRAM生産におけるパッケージ組み立ておよびテストの9割以上は海外で行っており,今回の操業停止による事業への影響は軽微としている。
ロームでは,「OKIセミコンダクタ宮城」(宮城県黒川郡)において余震の直後に停電が発生した(ニュース・リリース)。余震による被害はない。操業再開予定については,わかり次第知らせるとする。
日東電工では,医療関連材料を生産する「東北事業所」(宮城県大崎市)が,7日の余震による影響を受けた(ニュース・リリース)。人的被害はなかったが,8日朝も停電・断水が続いていた。その後,8日の14時の時点では,電気・水道が一部復旧してきているとした。完全復旧次第,設備などの点検を実施し,順次生産を再開する予定である。
サンケン電気では,7日の余震とそれに伴う停電の影響によって,一部の生産を再開していた「サンケン電気山形」の操業が停止した(ニュース・リリース)。今後の生産ラインの復旧見通しについては,分かり次第知らせるとする。
日本電波工業では,同社グループ企業の「古川エヌ・デー・ケー」(宮城県大崎市)において一部施設が被害を受けた(ニュース・リリース:PDF)。従業員の安全は確認できているが,施設の被害の詳細については,分かり次第随時知らせるとした。現地では8日時点で停電となっているが,電力が復旧次第,短期間での生産再開に努めるとする。