米Microchip Technology Inc.は,リアルタイム・クロック/カレンダー(RTCC)ICファミリーの品ぞろえを拡充した(ニュースリリース)。発売したのは「NMCP7940」で,高機能ながら低価格であることが特徴である。1万個購入時の単価は,パッケージによって異なるが,0.57米ドルからである。自動食器洗浄器や電子レンジなどの白物家電,カー・オーディオなどの車載機器,電力メーターやサーモスタットなどのスマート・エナジー機器などに向ける。
搭載した機能は大きく分けて四つある。一つは,電源電圧の入力が途切れたときにバックアップ電源に自動的に切り替える「バッテリ・スイッチオーバー」機能である。二つめはタイムスタンプ機能。三つめはデジタル・トリミング機能。時間の誤差を微調整するために,-127~+127ppmの範囲において1ppmの分解能で時間を修正できる。四つめは,電池によるバックアップが可能な64バイトのSRAMである。ここに,時間,分,秒,曜日,日,月,年といったカレンダー/時間情報などを格納する。
振動周波数が32.768kHZの水晶振動子を外付けして使用する。クロック信号を出力することも可能だ。出力できる信号周波数は32.768kHzと8.192kHz,4.096kHz,1Hzである。アラーム信号を出力する機能も用意した。信号出力は,I2Cインタフェースを介して行う。
電源電圧は+1.8~5.5V。動作時の消費電流は最大400μA。電池によるバックアップ時の消費電流は最大700nAである。動作温度範囲は-40~+85℃。パッケージは,8端子SOPと8端子MSOP,8端子TDFNを用意した。1万個購入時の単価は8端子SOP封止品が0.57米ドル,8端子MSOP封止品が0.60米ドル,8端子TDFN封止品が0.64米ドルである。