東邦亜鉛は、東日本大震災で被災した同社の亜鉛製錬拠点について最新の状況を公表した(PDF形式のニュースリリース)。亜鉛を製錬する安中製錬所(群馬県安中市)は稼働を再開したが、その前工程として亜鉛精鉱を焙焼する小名浜製錬所(福島県いわき市)の復旧は2011年6月上旬を見込んでいる。
小名浜製錬所は、地震の影響で建物や設備が損傷していたが、津波による被害は「比較的軽微」(同社)だった。2011年6月上旬の操業再開を目指して復旧作業を進めている。同製錬所では、亜鉛精鉱の焙焼と硫酸の製造を行っており、焙焼後の亜鉛精鉱(亜鉛焼鉱)を安中製錬所に供給していた。近年は電炉ダストから酸化亜鉛を回収・製造したり、ニッケル-カドミウム電池を処理したりするリサイクル事業の中心拠点でもあった。
安中製錬所では、地震により設備が損傷していたが、復旧作業が完了し、操業を再開した。ただし、これまで同製錬所で使う原材料の約2/3を供給していた小名浜製錬所が操業を停止している他、電力使用にも制約があるため、現時点での操業度は平常時の3割程度にとどまっているという。