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 オランダPhilips Lighting社は、イタリア・ミラノ市で開催された照明展示会「Euroluce 2011」で、「See what light can do for your home」をテーマに、住宅市場向けLED照明器具を訴求した。リビングルーム、ホームオフィス、バスルーム、アウトドアなど、生活の場面に合わせた展示ブースで提案した。

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室内すべてを制御できるラインアップとして提案された「LivingAmbiance」シリーズ(写真:三橋 倫子)

 中でも今後の展開として、カラー・ライティングも含めた室内の照明制御を訴求した。Bluetoothを利用する小さなコントローラで室内の照明をすべて制御するという提案である。既存の白熱灯のコンセント・プラグと電源コンセントの間に無線用のセンサを加えると、コントローラにつなぐことができる。

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既存のスタンド・ライトも、器具とコンセントの間にBluetooth対応のコントロール・プラグ(写真左)を取り付けると、室内をひとつのコントローラ(写真右)で制御できる(写真:三橋 倫子)

 フィリップス エレクトロニクス ジャパンも日本の住宅用照明分野に本格参入する。ハロゲン形LEDランプ「マスターLEDスポット」や「フォルティモ(Fortimo)」などに加え、ダウンライトなどへの組み込みを進める光源と電源のLEDシステムを訴求していく。

 フィリップス エレクトロニクス ジャパン ライティング事業部 事業部長の岸和紀氏は「住宅用照明器具の販売については後発だが、住宅での照明手法を変えることを踏まえて、他とは違った今までにない製品を提供する。ランプや電源のLEDシステムも国内の照明器具メーカーに供給したい。欧州の器具を展開する可能性もあるが、まずは日本での需要を知ることが大切だ」と話す。照明器具メーカーのOEMとなる場合でも、各社の判断によっては、室内の照明を同社のコントローラで一括制御できるようにすることも考えられる。

住宅市場にカラー・ライティングの新製品を投入

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カラー・ライティングのための照明器具も新製品を追加した(写真:三橋 倫子)

 日本ではなじみの薄い、住宅でのフルカラーの照明利用については、Philips Lighting社が開催したパネル・ディスカッションで議論があった。各国のデザイナーから照明に対する意見が語られる中、「すべての色を使うことよりも、使い手が色を選ぶことが大切だ」(ニューヨーク在住でスタジオ宙一級建築士事務所代表の郡裕美氏)という意見も出た。色温度を選ぶという認識を超え、フルカラーの照明器具を使いこなすためには使い手の積極性が必要なことを感じさせた。

傘下の意匠器具ブランドによるLED照明器具を多数発表

 このほかPhilips Lighting社は、薄型の反射板を備える「LED Disc」を使った照明器具のバリエーションを追加した。LED Discは、2010年4月にドイツで開催された「Light+Building2010」で同社が発表したもの。傘下の照明器具ブランドの意匠器具を白熱灯からLEDランプへ置き換える動きも目立つ。LEDランプについても、省エネに焦点を置いた調光ができるランプ、光の質や白熱電球のように周囲に広がる配光などに重点を置いたランプ、調色やシャンデリアといった装飾用途のランプの三つのカテゴリーに分けて製品を発表した。色温度の異なる製品や他社品などと並べて比較した。

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薄型の反射板でLEDの光を制御しまぶしさも抑えた円盤形の「LED disc」(2010年に発表)を利用する照明器具も展示した(写真:三橋 倫子)

 Philips Lighting社 General Manager for Philips Consumer LuminairesのPhilip Doorduijn氏は、各国に向けたマーケティング戦略について「国によって嗜好、デザイン、文化などの違いがある。アジアはデザインという側面でも違う。日本は文化・思想なども異なる。それぞれに適したライティング提案を展開していきたい」と話す。価格については「消費者を中心に考え、消費者にベネフィットのあるように検討をして決めている」とした。

 同社は買収したブランド「MODULAR」「LUCE PLAN」「PHILIPS」「massive」の4ブランドを積極展開することを明らかにした。ブランドの位置付けについてDoorduijn氏は「それぞれの強みを生かす、また、それぞれもPhilipsのブランドを生かすことができると思う」と話す。

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Lirioの薄型ペンダント。のぞき込んだり器具に触れてみる来場者も多く見られた(写真:三橋 倫子)

コニカミノルタと開発のOLEDパネルを展示

 さらにPhilips Lighting社は、コニカミノルタと共同開発した有機ELパネルをEuroluceに出展した。有機ELパネルに対する戦略や位置付けについてDoorduijn氏は、「現状では、LEDと有機ELを両方出しても、消費者を混乱させるだけになる。マーケットに対してはシンプルな選択肢を出すべきだと思っている。準備は整うので、適当な時期がくれば、ニーズに合わせて製品を提供していきたい」とした。

 有機ELパネルを利用した照明器具開発や新しいデザインへの応用の可能性についても、使い手からの要求や提案を待っている状態だという。Doorduijn氏は「消費者が理解してニーズが固まるまで待っている。特に住宅のマーケットについては、シンプルに、分かりやすい言葉で伝えなければならない。まだそのマーケットに届くには疑問がある」とした。

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Philip Doorduijn氏(写真:三橋 倫子)