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GainSpan社の社長兼CEOのGreg Winner氏
GainSpan社の社長兼CEOのGreg Winner氏
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GainSpan社の無線LANモジュール 左側の二つがGS 1050M
GainSpan社の無線LANモジュール 左側の二つがGS 1050M
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 スマートフォンやタブレット端末の普及や省電力意識の高まりで、家庭内などにあるさまざまな機器を無線通信で接続し、これを制御したり監視したりするニーズが高まっている。こうしたターゲットに向けて低消費電力型無線LAN用通信モジュールを開発するのが米GainSpan社である。電池駆動が求められるセンサーや小型の機器に無線LAN機能を簡単に組み込めるように、無線LAN用ICとTCP/IP処理やアプリケーション実行用のマイクロプロセサなどを1チップ化した製品を持つ。2010年にIEEE802.11bに対応したモジュール「GS 1011M」を製品化済みで、2011年5月にはIEEE802.11b/g/nに対応した「GS 1500M」を開発したと発表した。2011年6月にサンプル出荷を開始し、同年第3四半期より量産出荷を開始する。GainSpan社の社長兼CEOのGreg Winner氏にGS 1500Mの狙いや、省電力無線LANの市場について聞いた。

――GS 1500MはIEEE802.11nに対応したが、GainSpan社がターゲットとしている小型の機器で必要なのか。

Winner氏 1500MではIEEE802.11nのうち、1×1のストリームのみをサポートし、最大72.2Mビット/秒でデータを伝送できる。IEEE802.11bは11Mビット/秒なので、約7倍程度速いわけだ。つまり、その分通信時間が短くなり、早くスリープモードに切り替わるため、消費電力が少なくて済む。
 さらにユーザーの中には、IEEE802.11bをもはや使っていない企業もあり、802.11g/nへの対応が求められてきた。IEEE802.11bで十分なユーザーにはGS 1011Mを販売する。GS 1011MとGS 1050Mを投入できたことで、ハードウエアとしてはフルラインアップとなった。

――GS 1500Mの消費電力はどの程度か。

 Winner氏 スタンバイ時が5μA、PS-poll modeの場合が100μA、受信時が144mA、送信時が192mAだ。使い方に依存するが典型的な使い方では2本の単3電池で1~3年は動作する。

――GS 1011Mを使ったセット製品の動向はどうか。

Winner氏 まだ、ほとんど市場に製品は出ていない。GS 1011M自体が完成したのが、2010年の夏だった。製品を企画し、完成させるまでには1年程度の期間は必要だからだ。しかし、2011年夏からヘルスケア、スマート・エネルギー、家電機器や産業機器のコントロールやモニタリングなどの分野で続々と製品が登場する。

――登場する製品とは、例えばどのようなものか。

Winner氏 製品分野が幅広いので、一言では言いにくいが、例えば、血圧計や体重計などのヘルスケア機器、ホーム・セキュリティ用のセンサーなどがある。

――そうした分野では、ZigBeeやZ-Waveなどの無線通信が注目されている。

Winner氏 ユーザーの利用環境を考えた場合、スマートフォンやタブレットから無線LANを通して各機器と連携するという形になるだろう。ZigBeeにせよ、Z-Waveにせよ、こうした機器から直接、アクセスして通信できない。どうしても、ZigBeeやZ-Waveのネットワークと無線LANのネットワークをブリッジする装置が必要になる。ZigBeeやZ-Waveに対応したICの価格は安いかもしれないが、トータルのシステムとしては複雑で高価になる。
 ZigBeeに対してIPアドレスを割り当て、TCP/IPやUDP/IPの通信をさせるように機能拡張する動きがあるが、そういうことをすればするほど、ZigBeeのモジュールに求められるメモリー容量やマイクロプロセサの性能が必要となる。結局、通信用モジュールのコストでもGS 1011並みになってしまうのではないだろうか。