PR
Given Imaging社のGavriel Iddan氏
Given Imaging社のGavriel Iddan氏
[画像のクリックで拡大表示]
初期のアイデアを記したノート
初期のアイデアを記したノート
[画像のクリックで拡大表示]
初期のアイデアを記したノート
初期のアイデアを記したノート
[画像のクリックで拡大表示]
初期のカプセル内視鏡のプロトタイプ
初期のカプセル内視鏡のプロトタイプ
[画像のクリックで拡大表示]

 2001年にカプセル内視鏡を業界で初めて実用化(FDA認可取得)したイスラエルGiven Imaging社。同社がカプセル内視鏡を開発したルーツについては、既に幾つかの文献に記載されている1)。それによれば、イスラエル国防省の軍事技術研究機関でカメラ付きミサイルの開発に携わっていた技術者が、たまたま消化器内科医と出会ったことがキッカケになったという。二人が議論を交わしていく中で、現在のカプセル内視鏡につながる発想にたどり着いたというのだ。

参考文献1)カプセル内視鏡研究会,『カプセル内視鏡─診療ガイド』,南江堂,2006年2月.

 この、“カプセル内視鏡の父”と言える技術者が、現在、Given Imaging社でイノベーション担当のVice Presidentを務めるGavriel Iddan氏である。同社の日本法人であるギブン・イメージングが2011年6月21日に東京都内で開催したセミナー「カプセル内視鏡の開発経緯と未来構想、先端医療技術の事業化戦略」においてIddan氏が登場し、開発の経緯などを語った他、初期のアイデアを記したノートの画像を公開した(関連記事12)。

医師との出会いから11年でアイデア誕生

 Iddan氏はまず、1981年の出来事について振り返った。同氏が休暇中(ユダヤ教の安息休暇の年)に、医師であるEitan Skapa氏と偶然出会った。その時にSkapa氏は、既存の内視鏡の課題について語り続けたという。内視鏡は小腸まで届かないため、それを解決する方法がないかと、技術者であるIddan氏に問い続けたのである。

 しかし、Iddan氏は「答えを与えることができなかった」という。当時は答えにつながる「技術」が存在していなかったためだと振り返る。

 ところがその後、小型CCDや小型の送信機が登場してきたことで、Iddan氏のアイデアは徐々に現在のカプセル内視鏡に近付いていった。そして、現在のカプセル内視鏡の原型となるアイデアが誕生したのが、1992年のことであるという。

 Iddan氏は、1992年に「三つの新技術が登場した」(同氏)ことが、アイデア誕生の背景にあったと説明した。三つの新技術とは、CMOSセンサ、ASIC無線送信機、白色LEDである。これらの技術を組み合わせることで、小型で低電力のカプセル内視鏡の実現が現実味を帯びてきたという。

 Skapa氏との出会いから11年を経て生まれたカプセル内視鏡のアイデア。そこからは速かった。1993年に実験を始め、1994年には特許出願、そして1997年にGiven Imaging社の設立に至った。

 こうした経緯を振り返った後、Iddan氏は「起業の原動力は、技術ではなく、(Skapa氏から聞いた)市場ニーズだった」と述べた。そして、これは「事業の立ち上げを成功させるための(汎用的な)ルールと言える」(Iddan氏)と締めくくった。