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図1 買収の詳細を説明するリコー 代表取締役社長 執行役員の近藤史朗氏(左)と、HOYA 代表執行役 最高経営責任者の鈴木洋氏(右)
図1 買収の詳細を説明するリコー 代表取締役社長 執行役員の近藤史朗氏(左)と、HOYA 代表執行役 最高経営責任者の鈴木洋氏(右)
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図2 レンズ交換式カメラの世界市場が、金額ベースで2015年には2010年の2倍に
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図3 HOYAは2011年6月23日に、手のひらサイズのミラーレス・カメラ「PENTAX Q」(手前)を発表したばかり
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 リコーは2011年7月1日、HOYAが「PENTAX」ブランドで展開しているデジタル・カメラ事業を同年10月に買収すると発表した(発表資料、図1)。リコーはPENTAXのレンズ交換式カメラの技術と販路を取り込むことで新興国を中心にカメラ事業を拡大させ、事務機に次ぐ事業の柱に育成する。一方のHOYAは、医療機器などに経営資源を集中させる方針だ。

 「カメラ業界では再編が続いていくべき。今回の案件がその先駆けになるのではないか」――。1日に開いた記者会見で、HOYA 最高経営責任者の鈴木洋氏は、価格競争の激化を背景にデジタル・カメラ業界の本格再編の幕が開けることを示唆した。

 HOYAは、2008年3月31日にPENTAXを吸収合併し、デジタル・カメラ事業に進出した。だが、経営資源の選択と集中を進めるうえで、同事業をリコーに譲渡することを決めたという。今回の事業譲渡に関する交渉は「2年ほど前から、どちらからともなく始まった」(リコー 代表取締役 社長執行役員の近藤史朗氏)。

 デジタル・カメラ事業を手放すHOYAの鈴木氏は、「PENTAXと統合して3年半が経った。苦労もしたが、一つの区切りが付いたので、リコーにバトン・タッチすることにした。ほっとしているのも本心だが、大事な事業なので大切に育てていって欲しい」との感想を口にした。

 今後は、HOYAがペンタックスのカメラ事業を新会社として切り出したうえで、リコーが100%子会社にする。従業員や生産拠点も引き受け、リコーのデジタル・カメラ事業も新会社に移す。買収額は非公表。PENTAXブランドは共有し、リコーは自社ブランドとともにデジタル・カメラ事業で、HOYAは光学機器分野で使い続ける。

 「一眼のマーケットで、世界で戦える会社に育てたい」――。リコー近藤氏は、デジタル・カメラ事業を強化する方針を強調した。同社は、レンズ交換式カメラの世界市場が、金額ベースで2015年には2010年の2倍に伸びると予想する(図2)。PENTAXのレンズ交換式カメラを中核に市場開拓を進め、3年後のデジタル・カメラ事業の売上高を年間1000億円にする目標を掲げた。レンズ交換式カメラのラインアップを持たないリコーにとって「製品群のバッティングは少ない」(近藤氏)という。

 PENTAXブランドは現在、「645」「K」「Q」という三つの交換レンズ用マウントを保有する(図3)。「マウントは重要な資産。中判にはそれでしかできないことがあり、QならQでしかできない楽しみ方がある。それを提供していく」(リコーの近藤氏)として存続する方針だ。リコーのレンズ・ユニット交換式カメラ「GXR」については、「今日は答えを持っていないので、勘弁して欲しい」(同氏)と明言を避けた。