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サルーテの電力システムの概要
サルーテの電力システムの概要
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 ガス・コージェネレーション・システムの発電機の運転を開始するときには、多くの起動電流が必要になる。このため、2~4号機を起動する電力を1号機で供給しようとすると、1号機が高負荷で止まってしまう恐れがある。そこで、発電機の起動時には、1号機が担当している負荷側をUPSで切り離し、もう一つの起動用UPSから起動電流を各発電機に供給する構成になっている。発電機の起動には1分も掛からないので、起動後には1号機の負荷を元に戻す。

 ところがこの構成が原因で、オープンからしばらくしたころに2~3回全館停電が起こったという。「最初はなぜだか分からなかった」(窪田氏)。そこで、システムの挙動を観察したところ、数分に1回の割合でUPSから給電が行われていたことが分かった。頻繁な給電でUPSへの充電が間に合わなくなり、UPSに蓄積した電力が底を突き、起動に必要な電力を供給できなくなっていたのだ。

 なぜUPSから頻繁な給電が行われていたか。そのカギは電力の品質にある。UPSの初期設定は、商用電力の高い品質に合わせてあった。ところが、1号機が発電する電力は電圧の変動が激しく、初期設定の正常範囲を逸脱することがあった。その際、UPSの保護回路が電圧を安定させようとして、その動作の間、内蔵する2次電池から電力を供給していたのだ。冷蔵庫のコンプレッサやコピー機などの動作により負荷が増えた場合には、発電機はフィードフォワード制御で電圧を高めてから電力を供給する。そのため、どうしても小型の発電機では電圧の変動は避けられない。

 この問題を解決するため、UPSの正常電圧の設定をより広い範囲に変更した。また、高電圧側でUPSの保護回路による上限を超えていたため、1号機の発電電圧を200Vから少し落とし、後で昇圧トランスで200Vに戻すという構成に変更した。これらの対策により、停電することはなくなり、その後は大きなトラブルは起きていないという。窪田氏は「いい勉強をさせてもらった」と振り返る。

Green Device Magazine 2011年夏号の特集「軽エネでいこう! グリーンデバイスで始める低エネルギー社会」に掲載)

第3回に続く