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図◎5列×3段積みで設置したオープン・クリーン・システム「フロアーコーチEx」。ガイドスクリーンで覆うことで、パネル対向間距離を広げた。中央のガイドスクリーンが切れている所が開口部。
図◎5列×3段積みで設置したオープン・クリーン・システム「フロアーコーチEx」。ガイドスクリーンで覆うことで、パネル対向間距離を広げた。中央のガイドスクリーンが切れている所が開口部。
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 興研(本社東京)はこのほど、オープンな空間に「クリーンルーム」を形成する、オープンクリーンシステム「KOACH」に関する新技術を発表した(図)。同システムは、清浄なエアを発生するパネル(プッシュフード)を向き合うように配置してクリーンゾーンを作り出すもの。必要な場所を必要なときだけ清浄化できることから、節電効果に優れるとして注目を集めている。同社は今回、クリーンゾーンを拡大する技術と共に、節電効果の高い気流制御技術を新たに開発した。両技術を搭載し、床面から清浄化するシステム「フロアーコーチEx」の販売は、2011年9月からを予定。

 東日本大震災の影響で深刻な電力不足が懸念される今夏。中でも、クリーンルームは大量の電力を使うため、節電対策は喫緊の課題とされている。そこで興研は、KOACHの節電効果をより高めるために、透明な帯電防止塩化ビニルシート製のガイドスクリーンを導入した。こうしてクリーンゾーンを覆うことで、ユーザーの利便性を損なわずに、低電力でより広い空間を清浄化できるようになった。

 例えば、人が出入りしたり物を搬入/搬出するために2mの開口部を確保してクリーンゾーンを形成する場合、パネル対向間距離は最大40mに広がった。従来(3列×3段積み)は最大5.5mだったことから、クリーン空間は7倍以上に拡大することになる。さらに、風速調整が3段階で可能になり、用途に応じて選べるようにした。通常は0.3m/秒で運転するが、発じんがほとんどなければ0.2m/秒に下げ、若干あれば0.5m/秒に上げられる。特に、風速0.2m/秒を選択した場合には、消費電力が118Wと従来の約1/4に低減。パネル対向間距離が40mまで延長したことを併せて考えると、クリーンゾーンの単位体積当たりの消費電力は約1/25になるという。

 この他、(1)スイッチを入れてからISOクラス5の清浄度を達成するまでの時間は3分30秒と、通常のクリーンルームの6~7時間に比べて圧倒的に短い、(2)出入りが容易なように、出入り口はオープンとした、(3)普通の部屋に設置できるため、特別な空調設備などは不要、(4)設置や移動が簡単で、クリーンゾーンの拡大にも機器の追加で対応できる、(5)天井に重量物がないため、大地震でも落下などの危険性が低い、といった特徴を持つ。本体(1パネル)の外径寸法は幅1055×奥行き634×高さ855mm、吹き出し開口面寸法は幅1050mm×高さ850mm。5列×3段積み(15組セット)、パネル間距離40m、開口部2mの仕様で、価格は約9500万円。