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 東芝のデジタルプロダクツ&サービス社は、「電気-熱-応力最適化設計の検討」というタイトルで、「2011 Japan ANSYS Conference」(10月6日と7日に東京でアンシス・ジャパンとサイバネットシステムが主催)で講演した。登壇したのは東芝の辻村俊博氏(デジタルプロダクツ&サービス社 設計開発センター デジタルプロダクツ&サービス設計第12部)である。

図1●講演する辻村俊博氏 Tech\-On!が撮影。スクリーンは東芝のデータで、熱応力で発生するクラックを説明している。
図1●講演する辻村俊博氏
Tech-On!が撮影。スクリーンは東芝のデータで、熱応力で発生するクラックを説明している。
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 同氏は、昨年の2010 Japan ANSYS Conferenceでも講演している(Tech-On!関連記事)。その講演のポイントは二つあった。一つは、電気的な解析(電磁界解析)と熱解析を連成(協調)させていること。もう一つは、LSIなどの部品の発熱だけではなく、ボード上の配線で発生するジュール熱を考慮していることである。

 今回の発表は、その続編と言える内容で、連成(協調)させる解析が一つ増えた。すなわち、応力解析である。昨年の成果は、電気が流れて、それによって部品とボード上の配線が発熱して、機器内の温度分布がどうなるかシミュレーションできるようになったことだった。今年は、さらに材質の違いなどで収縮や伸張の温度係数が異なるために発生する熱応力を求めることがが可能になった。大きな熱応力は、クラックを引き起こす(図1)。

4ステップで進む

図2●電気\-熱\-応力の連成解析フロー 東芝のデータ。
図2●電気-熱-応力の連成解析フロー
東芝のデータ。
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 今回の電気-熱-応力の連成解析フローは、4ステップで進む(図2)。ステップ1では、ANSYSの2.5次元(平面)電磁界シミュレータの「SIwave」を使ってDC-IR解析を実行して、電流密度と電圧降下を算出し、ボード上のIC/LSIに十分な給電が行えているかどうかをチェックする。ステップ2では、「ANSYS SpaceClaim Direct Modeler」を使って、ステップ3およびステップ4で使う3次元形状モデルを作成する。

 ステップ3では、ステップ1のSIwaveの処理結果とステップ2で作成したモデルを、電気/電子機器向け熱流体解析ツールの「ANSYS Icepak」に投入して、電気と熱の連成解析を行って温度を算出し、それが仕様を満たしているかをチェックする。ステップ4では、ステップ3のIcepakの処理結果とステップ2で作成したモデルを、機械系の構造解析/伝熱解析ツールの「ANSYS Mechanical」に投入して熱と応力の連成解析を行い、熱応力を算出する。そして、この熱応力から製品の寿命を見積もる。